牝馬クラシック第2弾のオークス。桜花賞がスピードと瞬発力を競うのに対して、こちらはスタミナ、そして底力が問われるレースだ。ただし、牝馬限定戦だけあってデアリングタクトやラヴズオンリーユー、アーモンドアイのような傑出した馬であれば、適性よりも「格」で押し切ってしまうケースも。過去10年間で桜花賞組が7勝。多くのクラシックレースがそうであるように、王道を歩んできた馬は強いというレースだ。

　◎ソダシは無敗の桜花賞馬。瞬発力タイプというよりも、ロングスパートを持ち味とする馬で、実際アルテミスSも、阪神ジュベナイルフィリーズも桜花賞も、推定上がり3ハロンはメンバー中、上位3頭の中に入っていない。早めスパートで逃げ、先行馬の心を折り、瞬発力で勝負する馬の末脚が届かないような位置で勝負するのが勝ちパターンだ。それゆえに2着、3着には追い込み馬を連れてくるケースが多い。アルテミスSのような競馬をしたいところだろう。

　〇ステラリアは忘れな草賞の優勝馬。瞬発力を身上とする馬で、前走は、マイルを2度使われていたことで前半はやや力むところがあったが、ペースが落ち着くとすぐに折り合い、ほぼ完ぺきなペース配分で逃げ込みを図ろうとしたエイシンヒテンをゴール前でとらえた。1800m以上は2戦2勝。東京競馬場は2戦して勝ち星こそないものの、スタートで躓いてしまったクイーンCは参考外で、昨秋のベゴニア賞は牡馬を相手にメンバー最速の上がりタイムを記録している。

　▲クールキャットはソダシと同じようなタイプで展開のカギを握る1頭だ。これまでいろいろな競馬を試されているが、2勝はいずれも東京コースで、早め先頭から後続の追撃を退けた。乗り替わった武豊騎手が、どのようにソダシに立ち向かっていくのかは大変興味深い。

　△アカイトリノムスメはクイーンC優勝馬で、桜花賞4着馬。道中はソダシを見るような位置でレースを進め、最後は勝ち馬からは0.2秒差でゴール。それでも5着馬には0.5秒の差を付けた。3戦3勝と得意とする東京コースと距離延長を味方に、どこまで差を詰められるだろうか。最後に、末脚鋭い△スルーセブンシーズの名前を挙げておきたい。