「
日本ダービー・G1」(30日、東京)
さあ、いよいよダービーウイークの開幕だ!2018年に生産された7398頭の頂点を決める祭典を前に、
皐月賞馬
エフフォーリアで挑む
横山武史騎手(22)=美浦・鈴木伸=がインタビューに応じた。相棒は昨年の
コントレイルに続く無敗戴冠が、自身にとっては、父・典弘騎手(53)との父子制覇、
中央競馬史上最年少Vが懸かる一戦。大舞台に向け、意気込みを大いに語った。
◇ ◇
-自身にとって初めてのG1制覇となった
皐月賞。勝利者インタビューの第一声は「最高です!」だった。
「やっぱり最高でしたね。ここで満足しているわけじゃないけど、夢の一つ、目標の一つとして達成できたことは良かったです」
-
ガッツポーズは父が
皐月賞を勝った時(98年
セイウンスカイ)とそっくりだった。
「結構周囲から言われましたが、意識はしていなくて。パッと出たのがあれでした」
-レースを振り返ると。
「戦前に予測していた流れで、欲しい位置が取れました。理想的な競馬ができましたね」
-下馬後、「プレッシャーから解放されたー」と言っていたが。
「あれはもう本当に本音が出ました(笑)。人気も背負っていましたし」
-VTRを見直したか。
「もちろん。負けたレースもですが、勝ったレースは特にたくさん。リアルに50回くらい見ました」
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皐月賞の3馬身差Vは過去10年で最大。
「競馬は時計や着差だけではないと思いますが、着差を広げて勝てるのは“強い”ということで間違いないです。僕は意識していなかったんですけど、ニュースか何かで“毎レース毎レース着差を広げている”と。確かにそうだなと思いました」
-父・典弘騎手からは「酒を飲むな」と厳命されていたと聞く。G1を勝っても飲まなかった?
「飲まなかったですね。飲まなくてもいいかなー、と思って。これまで飲まなくても今、楽しいですし。ここで終わりじゃないんで、馬も人も。ダービーもありますから」
-父からの祝福は。
「長い言葉はなかったのですが、『おめでとう、良かったな』と。結構喜んでいました」
-G1タイトルは父より早く獲得できた。
「時代が違いますし、あんまりそこを簡単に比較するのは良くないかなと思います。戦うメンバーも違うし、乗っている騎手も違うし。僕自身は結果を出せて良かったのかなと」
-印象的なダービーを挙げると。
「父が勝った
ロジユニヴァース(09年)ですね。家で見ていました。あの時は小学校5年生くらいで、乗馬を始めてもいなかったです。当時の僕でもダービーはすごいレースだと分かっていましたし、テレビで見ているだけでも緊張しました。レースは土砂降りの中、よく内を突いてきましたよね」
-父はダービーを2勝している。
「乗るだけでも大変なレース。それに勝つとなると、さらに大変なはず。2勝している父は、改めてすごいと感じます」
-自身は19年
リオンリオン(15着)でダービー初騎乗。
「急きょの代打騎乗でしたが、乗れることをうれしく思いました。この世界にいる人の夢の一つでもありますから」
-決戦が目前に迫った。次は距離が2400メートルになる。
「折り合いがメイン課題になってくるのかな、と。少し力みやすい馬ですが、
共同通信杯の時のようにスローペースで掛かってもスッと落ち着いてくれますし、何より馬が賢いので大丈夫じゃないかなと思います」
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皐月賞後に「6週間で、自分も馬も成長してダービーを迎えたい」と話していた。
「土日で10鞍くらいとして、6週間なら60鞍ぐらい乗るわけじゃないですか。その分、経験値が積み上がる。例えばダートの千二とダービーがつながるかと言ったら、パッと見は分からないかもしれないですけど、大事な部分は一緒だと思うので。騎乗技術はもちろん、メンタル、フィジカルもこの6週間でさらに成長できればと思っています」
-自身にとってダービーとは。
「ありきたりですが、“ホースマンの夢”です。どのレースも勝ちたいですけど、ダービーは特に勝ちたいレースの一つ。憧れの舞台ですね」
-当日は緊張しそう?
「すると思います。無敗ですし、想像しただけでも…。それだけすごいレースですからね、ダービーは」
提供:デイリースポーツ