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【オークス】ユーバーレーベン樫女王 3月に急逝した岡田総帥へ捧げる恩返し星

デイリースポーツ
  • 2021年05月24日(月) 06時00分
 「オークス・G1」(23日、東京)

 3番人気のユーバーレーベンが直線で早めに抜け出して快勝。新馬戦以来の2勝目はG1初制覇で、ゴールドシップ産駒としてもJRA・G1初勝利となった。内から伸びた2番人気のアカイトリノムスメが2着、鼻差の3着には16番人気のハギノピリナが入った。無敗で桜花賞を制し、断然の1番人気だった白毛馬ソダシは8着に敗れた。

 最高のステージで最大のライバルを倒し、ユーバーレーベンがまばゆいばかりの光を放った。序盤は中団より後ろを追走。直線ラスト200メートル手前で無敗の桜花賞ソダシが伸びあぐねるのを横目に、右ステッキが一発は入ると瞬時に反応。グイッとひと伸びすると、必死に迫るアカイトリノムスメを一気に1馬身差突き放した。M・デムーロは「前走でジリジリ伸びてくれていたので、距離は大丈夫だと思っていた。イメージ通り」と満足そうに振り返った。

 真っ青な五月晴れの空へ向け、鞍上は右手で持ったステッキをまっすぐに突き上げた。同馬の生産者ビッグレッドファームの創設者で3月19日に急逝した岡田繁幸氏、先週亡くなったばかりの大切な友へ。恩返しの意味も込めて最高の報告だ。「感動した。勝って(岡田繁幸氏を)思い出した。昔からいい馬に乗せてもらったし、良かった」と遠くを見つめる。先月(4月22日)には子どもが誕生。「人生は難しい。いいこと悪いこと。でも、いつも温かく応援してくれるファンや関係者がいるから頑張れる」と感慨に浸った。

 馬名の由来は独語で「生き残る」。その言葉のように、ここまでの道のりは決して平たんではなかった。チューリップ賞を疝痛で断念し、桜花賞を諦めた。体重の変動が激しくなかなか安定しない中、オークスを目指しフラワーC、フローラS3着で賞金加算に失敗。結果的に賞金順で出走できたとはいえ、素質あふれる一頭の牝馬を馬の神様は見捨てなかった。

 体調第一に調整方法を苦心した手塚師も肩の荷が下りた様子。「これまで完敗だったソダシに、大きなところで一矢報いた。ミルコさまさま」と喜びをかみしめた。秋は秋華賞(10月17日・阪神)で2冠に挑む。白毛のアイドルホースを撃破した樫の女王。ヒロインの座は渡さない。

提供:デイリースポーツ

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