スマートフォン版へ

【日本ダービー】宮田調教師が目を見張るグレートマジシャンの成長曲線「内からみなぎるものが規格外」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年05月27日(木) 19時03分
 あれは1週前の美浦トレセン。上がり運動を行うサトノレイナスの姿をしばし遠目で追っていた某トレーナーが、やがてほほ笑みながらこうささやいた。

グレートマジシャンが出ていなければ、今年のダービー(30日=東京芝2400メートル)はきっとレイナスを全力で応援していたんでしょうねぇ」

 声の主は宮田敬介調教師。開業2年目、自身初のGIを誉れ高き日本ダービーで迎える幸運のホースマンだ。彼にとってサトノレイナスを管理する国枝栄調教師は、調教助手のころから最大級の敬意を示す“ザ・マスター”。頂上決戦は鞍上ルメールをさらわれた形だが、そこに恨み節が出るはずもなかろう。

 とはいえ、だ。聞けば秘める野心は、悲願成就を期す師匠にも負けていなかった。

「ダービーに導いてくれた馬にも関係者にも感謝の気持ちでいっぱいです。でも参加するだけじゃなく、それは結果で示したい」は手応えをつかめばこその言葉。振り返れば前走の毎日杯は「減った馬体の回復を主眼に何とかたどり着いた」状況であった。にもかかわらずレコード決着(1分43秒9)でクビ差の惜敗。さらにイン伸びの馬場を利したシャフリヤール=川田の好騎乗を鑑みれば、まさに負けて強しの一戦なのだ。加えて…。

「前走まではこの体でよく走れるなと思わせるルックスでした。それが一気にパワーアップして、今は数字以上に体に張りがあり、この中間は乳酸の数値まで上がりにくくなった。秘めたポテンシャルにやっと体が追いついてきた印象です」

 指揮官が目を見張るのは、予測をはるかに超える成長曲線。それもそのはず。晩成血統らしく、ソエやトモの緩さに悩まされたデビュー時とはもはや別馬。前走からわずか2か月で「内からみなぎるものが規格外になってきて、見ているこちらが怖いくらい」の変貌を遂げている。

「追うごとにテンションが上がったこれまでとは違います。気性は成長してきたし、血統や体形から距離適性も秘めている。ダービーは関東馬でワンツースリーをできたら。この馬と一緒に厩舎もキャリアアップできたら」(同師)

 ひそかに描くのは、師匠が送るサトノレイナスとの直線の叩き合い。人も馬もあれよあれよの夢舞台だが…。ここが“出藍の誉れ”になろうとも、驚かない準備は当方にもできている。

(美浦のラストダービー野郎・山村隆司)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す