直線残り200mからは、地方の1200mで好走経験のある2頭の一騎打ち。先に先頭に立ったのが
ヒロシゲゴールドで、これに並びかけた
リュウノユキナがそのまま交わすかにも思えたが、差し返した
ヒロシゲゴールドが半馬身先着してのゴールとなった。
抜群のスタートを切ったのは大外枠の
ヒロシゲゴールドだったが、ダッシュを効かせて逃げたのは
アザワク。全6勝のうち5勝が逃げ切りという
ヒロシゲゴールドだが、何が何でもというタイプでもなく、14頭立ての大外枠ということでは、緩みのないペースでレースを引っ張る馬がいたことでレースがやりやすかったのではないか。前走
東京スプリントでの
ヒロシゲゴールドは、4番枠では前に行かなければ内で包まれてしまうため内枠2頭と競り合うように先行。直後につけた
リュウノユキナの格好の目標となり、直線で並びかけられると抵抗できずに競り落とされてしまった。
今回、スタート後の直線では大外の
ヒロシゲゴールドと最内の
リュウノユキナが2番手の一線で並ぶ形になったが、
リュウノユキナは3コーナーあたりで一旦下げて外に持ち出し、
ヒロシゲゴールドを前に見る位置につけた。結果的に
東京スプリントと同じような位置関係になったが、今回は楽に2番手がとれた
ヒロシゲゴールドには余裕があった。4コーナー手前あたり、
ヒロシゲゴールドの
北村宏司騎手は2度ほどうしろを振り返っている。おそらく
リュウノユキナの位置と脚色を確認していたのだろう。勝因は、好スタートを切って控えたぶん、脚を溜めることができたこと。直線半ばで
リュウノユキナに並びかけられる場面もあったが、最後にもうひと伸びしての半馬身差。
グレード別定で
リュウノユキナ57kgに対して、
ヒロシゲゴールドは56kgという斤量差もあった。
残念だったのは3着の
スマートアルタイル。もともと後方から直線勝負という脚質で、前走天王山Sでもスタートいまいちながら後方から豪快に直線一気を決めていた。今回も伸び上がるようなスタートで後方2番手から。徐々に位置取りを上げてはいたが、道中での前との差が開きすぎた。レースの上りが37秒7、勝った
ヒロシゲゴールドが37秒2のところ、
スマートアルタイルは35秒9の脚を使って届かないのでは仕方ない。
地方最先着は、昨年と同じ4着の
ニットウスバル。地方馬同士の重賞では5着が最高という成績だが、中央馬相手のほうが着順がいい。勝ちにこだわらず、自分のレースに徹しての結果だろうか。
スマートアルタイルより速い上り35秒4を記録しての6着が
ジャスパーシャイン。昨年の道営ス
プリントで最後方からの直線一気は鮮烈だったが、今回も1頭だけポツンと離れて最後方からの追走で、持ち味は発揮した。中央の一線級相手では厳しいが、地方馬同士で流れや展開が向けば、再びあっと言わせる場面はありそうだ。
11歳で連覇を狙った
メイショウアイアンは、好スタート切ったもののダッシュがつかず中団から。終始追走に一杯で、残念ながら見せ場をつくれなかった。