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【北海道スプリントC回顧】ヒロシゲゴールドが6度目の地方挑戦で重賞初勝利/斎藤修

  • 2021年05月28日(金) 17時00分
 直線残り200mからは、地方の1200mで好走経験のある2頭の一騎打ち。先に先頭に立ったのがヒロシゲゴールドで、これに並びかけたリュウノユキナがそのまま交わすかにも思えたが、差し返したヒロシゲゴールドが半馬身先着してのゴールとなった。

 抜群のスタートを切ったのは大外枠のヒロシゲゴールドだったが、ダッシュを効かせて逃げたのはアザワク。全6勝のうち5勝が逃げ切りというヒロシゲゴールドだが、何が何でもというタイプでもなく、14頭立ての大外枠ということでは、緩みのないペースでレースを引っ張る馬がいたことでレースがやりやすかったのではないか。前走東京スプリントでのヒロシゲゴールドは、4番枠では前に行かなければ内で包まれてしまうため内枠2頭と競り合うように先行。直後につけたリュウノユキナの格好の目標となり、直線で並びかけられると抵抗できずに競り落とされてしまった。

 今回、スタート後の直線では大外のヒロシゲゴールドと最内のリュウノユキナが2番手の一線で並ぶ形になったが、リュウノユキナは3コーナーあたりで一旦下げて外に持ち出し、ヒロシゲゴールドを前に見る位置につけた。結果的に東京スプリントと同じような位置関係になったが、今回は楽に2番手がとれたヒロシゲゴールドには余裕があった。4コーナー手前あたり、ヒロシゲゴールド北村宏司騎手は2度ほどうしろを振り返っている。おそらくリュウノユキナの位置と脚色を確認していたのだろう。勝因は、好スタートを切って控えたぶん、脚を溜めることができたこと。直線半ばでリュウノユキナに並びかけられる場面もあったが、最後にもうひと伸びしての半馬身差。グレード別定でリュウノユキナ57kgに対して、ヒロシゲゴールドは56kgという斤量差もあった。

 残念だったのは3着のスマートアルタイル。もともと後方から直線勝負という脚質で、前走天王山Sでもスタートいまいちながら後方から豪快に直線一気を決めていた。今回も伸び上がるようなスタートで後方2番手から。徐々に位置取りを上げてはいたが、道中での前との差が開きすぎた。レースの上りが37秒7、勝ったヒロシゲゴールドが37秒2のところ、スマートアルタイルは35秒9の脚を使って届かないのでは仕方ない。

 地方最先着は、昨年と同じ4着のニットウスバル。地方馬同士の重賞では5着が最高という成績だが、中央馬相手のほうが着順がいい。勝ちにこだわらず、自分のレースに徹しての結果だろうか。

 スマートアルタイルより速い上り35秒4を記録しての6着がジャスパーシャイン。昨年の道営スプリントで最後方からの直線一気は鮮烈だったが、今回も1頭だけポツンと離れて最後方からの追走で、持ち味は発揮した。中央の一線級相手では厳しいが、地方馬同士で流れや展開が向けば、再びあっと言わせる場面はありそうだ。

 11歳で連覇を狙ったメイショウアイアンは、好スタート切ったもののダッシュがつかず中団から。終始追走に一杯で、残念ながら見せ場をつくれなかった。

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