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鳴尾記念・G3」(5日、中京)
アッと驚く逃走劇だ。桶狭間を舞台に行われた21年の覇者は、8番人気の伏兵
ユニコーンライオン。坂井の思い切りのいい騎乗が光り、前走Vの余勢を駆って待望の重賞初制覇を果たした。
前半5Fの通過が62秒9。まんまとスローペースに持ち込むと、勝負どころから早めにギアを上げて後続を引き離した。レースの上がり3Fは11秒1-11秒1-11秒9。「瞬発力勝負では少し分が悪いので、早めに動かして行きました。直線もしっかりと反応してくれて。あとは“誰も来ないでくれ”と祈っていました」。会心の騎乗に、鞍上はしてやったりの表情だ。
所属する矢作厩舎の外国産馬。久々の騎乗でも手応えはつかんでいた。「状態がすごく良かったので、どれだけやれるか楽しみにしていました。結果を出せてうれしいです」。坂井自身も2月の中東遠征から帰国後、8週連続の勝利で、JRA重賞は6勝目に到達。絶好調コンビが波乱を巻き起こした。
矢作厩舎は節目のJRA重賞50勝に。「勝てて良かったです。オーナーにもデビュー当時からすごくお世話になっている。少しは恩返しできたかな、と思います」と23歳の若武者は胸を張った。伝統のG3タイトルを手にした人馬が、さらなる高みを目指していく。
提供:デイリースポーツ