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函館スプリントS・G3」(13日、札幌)
9日に課題のゲートを確認し、10日に札幌芝コースで追い切った
ビアンフェ。単走で馬なりというメニューながら、余裕の手応えで躍動し好調をアピールした。メンタル面の不安材料を解消するため、20年秋に去勢手術を行ったが、ようやく本来の実力を発揮できる状態を取り戻した。洋芝は2年前に
函館2歳Sを勝っており、得意とする条件。持ち味のスピードを生かす逃走劇で重賞3勝目を狙う。
気分良く、軽やかに。
ビアンフェは藤岡佑を背に札幌芝で5F72秒3-39秒3-12秒2をマーク。主戦と呼吸を合わせ、一直線に駆け抜けた。感触を確かめた鞍上は「先週までにしっかりとやっているので調整程度。いい動きですよ」と満足そうに話した。
19年6月の新馬戦から手綱を取り続け、3戦目の
函館2歳Sをスピードで圧倒して快勝。持ち味に磨きがかかる一方、気性難が災いするケースが見られるようになったため、陣営は昨年の
スプリンターズSの後、去勢することを選択した。「ス
トライドに恵まれた馬だけど、精神面がついてこなかった。(去勢して)ようやくかみ合い出したかなと思う。前は行くとガツンと行ったけど、今は周りが見えて走れている」と藤岡佑。思惑通り、理想とする姿に近づきつつあるようだ。
堂々逃げ宣言
去勢明け初戦の前走では懸案のゲート入りをクリアした。中竹師は「自分が乗って、びっしりとゲートを練習しました。枠入りがスムーズなら、無駄なエネルギーを使わずレースでも流れに乗れる。去勢しなければ、この短期間では改善できなかった」と効果の大きさを強調する。
トレーナーが「洋芝の開幕週。ここを狙ってきたから」と力を込めれば、藤岡佑も「まだ(ゲートを)油断してはいけないけど、出てからのスピードの乗りがいい馬。ハナに立つ形がいい」と力強く逃げ宣言。3つ目のタイトルを奪取して、快速馬の完全復活を告げる。
提供:デイリースポーツ