本来なら、新馬戦のスタートは阪神開催からになるが、今年は京都競馬場改修工事の影響で、中京2週、阪神2週となっている。
初夏の阪神マイルといえば、POG期間中にGIを勝つ馬が数多く勝ち上がった舞台。2013年
阪神ジュベナイルフィリーズを優勝した
レッドリヴェール、2018年
NHKマイルCを優勝した
ケイアイノーテック、2018年
ホープフルSと2019年
皐月賞を優勝した
サートゥルナーリアなどなど。
今年もそんな大物が登場するのかどうか、注目の一戦であることは間違いない。
【6月19日(土) 東京芝1600m】
◆
マイシンフォニー(牝、
父ディープインパクト、
母テディーズプロミス、栗東・
松永幹夫厩舎)
半兄
マイラプソディ(
父ハーツクライ)はデビューから3連勝で
京都2歳Sを優勝。本馬は2020年セレクトセール1歳にて、2億4000万円で落札されている。
ゲート試験合格後に一旦放牧に出て、5月14日にノーザンFしがらきから再入厩。6月2日の2週前追い切りでは、レースでも騎乗を予定している
武豊騎手が跨って、6F82.3秒をマーク。この追い切りに「動きには余裕がありましたし、十分な動きですね」と
松永幹夫調教師。6月9日のCWでは時計こそ遅かったものの、これまた動きに余裕があって、順調そのもの。
【6月19日(土) 阪神ダート1200m】
◆
フェズカズマ(牡、父
ドレフォン、
母シナジーウィスパー、栗東・安田隆行厩舎)
母系には
カンパニーや
トーセンジョーダンといったGIホースが名を連ねる。本馬は新種牡馬
ドレフォンの産駒で、2019年セレクトセール当歳では6000万円で落札されている。
3月26日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩し、ゲート試験合格後に一旦放牧。再入厩してから坂路で追い切りを積み重ねているが、5月20日に4F54.4秒をマークすると「時計はやればいくらでも出るような動きなので、やりすぎないように注意していきます」と安田隆行調教師。そんな言葉通り、1週前追い切りとなる6月10日は坂路4F52.1秒。2F24.6秒、1F12.2秒と素晴らしいラップでまとめている。人気を集めることは間違いないが、それにしっかりと応えてくれそうな調教内容ではある。
【6月20(日) 阪神芝1600m】
◆
ダノンスコーピオン(牡、父
ロードカナロア、
母レキシールー、栗東・安田隆行厩舎)
母は現役時代に海外重賞を3勝。
Frankel産駒の半姉
ダノンバジリアはまだ勝ち上がることができていないが、父が
ロードカナロアに替わったことで気性的な部分で姉とは違っているようだ。
5月12日にケイアイFから栗東へ入厩し、5月26日にはゲート試験合格。その後も在厩調整で追い切りを開始しており、6月9日のCWではレースでも騎乗予定の
川田将雅騎手が跨り、
ミステリーウェイとの併せ馬を行っている。ゴール前ではやや遅れたようにも見えたが、ゴールを過ぎたところでもまだまだ余力ある走り。時計は6F84.0〜5F68.2〜4F53.2〜3F38.3〜1F11.9秒と十分な数字は出ている。この動きを見るかぎり、当初予定されていた芝1400mよりもマイルデビューの方が初戦から結果を出せそうな印象もある。
◆
ショウナンハクラク(牡、父
Frankel、
母ショウナンアデラ、栗東・
松下武士厩舎)
母ショウナンアデラは2014年阪神JFでGIを制覇。その初仔となるのが、
Frankel産駒の本馬。
Frankelといえば、気性的に難しいと評されることも多いだけに「
テンションが上がりすぎないように、注意しながら調整しています」と
松下武士調教師。
5月26日と6月4日にレースで騎乗予定の
岩田康誠騎手が跨り、先週はトラックでの動きを確認するため、CWで併せ馬を消化。充実した調教内容になっているが「今のところ、うまく進めることができています。オーナーが期待する血統馬でもありますし、なんとか結果を出したいですね」と同師。
(取材・文:井内利彰)