「
宝塚記念・G1」(27日、阪神)
07年に
ホワイトベッセルがJRA初勝利を挙げてから14年。今や競馬界において、白毛馬たちは大きなムーブメントを巻き起こす存在になった。白毛として初めて上半期のドリームレースに参戦するのは、
天皇賞・春16着からの大逆転を狙う7歳馬
シロニイ。週末の雨も味方につけ、スタミナをフルに発揮して一発を狙う。
無敗で
桜花賞を制した
ソダシを筆頭に、新馬勝ちの
ハイアムズビーチ、スレイニプルSを制した
ハヤヤッコと、次々と白毛の活躍馬が出ている昨今。上半期を締めくくる大舞台で、白い馬体を誇示するのは
シロニイだ。
白毛としてJRA初勝利を挙げた
ホワイトベッセルや初の交流重賞Vを果たした
ユキチャンの半弟で、母は
サンデーサイレンス産駒初の白毛馬
シラユキヒメ。日本競馬を大きく変えた大種牡馬の血を受け継ぐ。一般的に“白毛は気性が難しい”と言われるが、池江師は「毛色と気性の遺伝子は別物と思っている」と分析。実際、
シロニイはスムーズなゲート入りに加え、操作性が高い。
昨秋からコンスタントに使われ、今回は長丁場を3戦続けて使っての臨戦だが、最終追い切りでは栗東坂路で自己ベストとなる4F52秒0をマークするほど元気いっぱい。師は「回復が早くて、どこか使わないともったいないかなと思った。調子がいいから時計が出る」と参戦理由に出来の良さを挙げる。
レース当日の雨予報も歓迎だ。「距離は短い。スタミナを生かしたいので、雨が降ってくれないと困る。そう思っての出走でもあるから」。近5年で4回も稍重で行われている上半期のドリームマッチ。梅雨時の馬場を味方にしたい。
戦歴からすれば、ファン投票57位は異例だろう。「ファンが多いよね。準オープン馬なのにこれだけの票を入れてくれて。白毛は走っているから、足を引っ張らないようにしないと。アッと言わせたい」とトレーナーは力を込めた。
枠順は24日に確定し、5枠6番に入った。「真ん中でいいところじゃないでしょうか」と川合助手は納得の表情をのぞかせる。長距離戦が続いたとあって、「今回は距離がポイント。雨で馬場が渋って、しぶとさを生かす競馬ができたら」と同助手も恵みの雨に期待していた。さぁ、今度は白毛馬初の
グランプリ制覇だ。
提供:デイリースポーツ