先週の新馬戦で驚いたのは、6月27日の東京ダート1400mで14頭もの除外が出たこと。先々週の阪神ダート1200mで4頭の除外が出ていたため、除外自体は驚かないが、ちょっと頭数が多い。
今週は小倉ならダート1000mという番組はあるが、この条件はちょっと距離が短すぎるという声を関係者からよく聞く。福島にしても、ダート1150mという番組。
先週当欄で紹介した
ターゲサンブルック(牡、
父シニスターミニスター、
母ポップチャート、栗東・
奥村豊厩舎)は東京ダート1400mを除外され、阪神芝1800mへ回っている。この先の番組編成を考えれば、距離を考慮して、そういった選択になることも納得できる。
そう思うと阪神開催が行われている期間にダート1400mという番組をつくれば、それなりのニーズがあるような気がするが、どうだろうか。
【7月4日(日) 小倉芝1200m】
◆
ベヴィアーモ(牡、父
ロードカナロア、
母リビアーモ、栗東・
松永幹夫厩舎)
半兄
マグナレガーロ(
父キングカメハメハ)はダートで
JRA4勝、半姉
パルティアーモ(父
ワークフォース)は芝中長距離で4勝と、母からはいろんなタイプが出ている。
本馬は
ロードカナロア産駒ということで、芝のスピード決着は合いそう。そのあたりは6月16日の坂路4F52.0秒という時計にも表れている。「促しながらの追い切りでこの数字ですから、能力は相当高いですね」と
松永幹夫調教師。
6月23日のCWでは古馬1勝クラスを追走して最後は遅れてしまったが、時計は6F82.0〜5F66.8〜4F52.7〜3F39.2〜1F12.4秒と水準以上の数字をマーク。個人的にはこの距離は少し短い印象もあるが、そこは能力で突破するような気もする。
鞍上は
福永祐一騎手が予定されている。
◆
ショウナンマッハ(牡、
父ショウナンカンプ、
母オーバーレイ、栗東・
茶木太樹厩舎)
近親に2020年の橘S(L)を優勝した
カリオストロ(父
エイシンフラッシュ)がいる血統で、2021年千葉サラブレッドセールでは5060万円で落札されている。
ショウナンカンプ産駒でのこの価格は高額のような気がするが「いい時計で動いていましたし、馬もいいですからね」と
茶木太樹調教師。
6月10日の坂路では2F24.7秒、1F12.1秒と動いていたが、6月17日のCWでは古馬2勝クラスを追走したこともあり、最後は遅れてしまった。しかし、トラック馬場で追い切ることで課題も見つかり、先週もCWでの併せ馬。古馬1勝クラスを追走して、きっちり先着しており、追い切りを重ねて、確実に良くなっている印象だ。
【7月4日(日) 小倉芝1800m】
◆
フィデル(牡、
父ハーツクライ、
母ラッキートゥビーミー、栗東・
友道康夫厩舎)
半兄
ラッキーモー(父
Uncle Mo)は京都ダート1400mの新馬戦を勝っており、本馬は2020年セレクトセール1歳にて、2億900万円で落札されている。
4月9日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験合格後に放牧。
6月になってトレセンへ戻ってきたが、ここまで坂路とCWを併用して、順調に追い切りを消化。6月23日はCWで3頭併せを行い、その真ん中に位置して、最先着でのゴール。時計は6F81.5〜5F66.4〜4F51.6〜3F38.0〜1F11.6秒と素晴らしい数字をマーク。
入厩以前から
友道康夫調教師の評価が高かった
ハーツクライ産駒だが、デビューに向けて本当に順調に来ている。
なお、鞍上は
川田将雅騎手が予定されている。
◆
ダノンピーカブー(牡、父
Kitten's Joy、
母ジョイフルビクトリー、栗東・
大久保龍志厩舎)
半姉に中山ダート1800mを新馬勝ちした
スカイナイル(父
Pioneerof the Nile)がいる血統で、本馬は2020年セレクトセール1歳にて、1億1550万円にて落札されている。
4月に栗東へ入厩して、ゲート試験合格後は放牧。6月からトレセンでの追い切りを開始しており、先々週までは坂路中心に時計を出していた。6月24日の1週前追い切りはCWで古馬2勝クラスを追走して、きっちり追いついている。時計は6F81秒台と速く、追うごとに動きが良くなっている。
(取材・文:井内利彰)