「
ラジオNIKKEI賞・G3」(7月4日、福島)
同期の活躍に負けてはいられない。
アサマノイタズラとコンビを組む
嶋田純次騎手(28)=美浦・手塚=が、みちのく福島で重賞初制覇を狙う。競馬学校で同じ釜の飯を食った元JRA騎手の高嶋活士選手(28)が、東京パラリンピック馬術競技の日本代表入りを決め、
藤懸貴志騎手(28)=栗東・フリー=が
マーメイドSで重賞初制覇を達成。さあ、今度は俺の番だ。
「同期が日本代表選手というのはすごくないですか」。嶋田が目を輝かせながら話しだした。“同期”とは、東京2020パラリンピック大会の馬術競技で日本代表に内定した高嶋活士選手。JRAの元騎手だ。
高嶋選手は11年3月に騎手デビューを果たしたが、13年2月の障害レースで落馬負傷。その後は騎手復帰を目指したものの、15年9月に引退した。右半身麻痺、高次脳機能障がいを抱えながら、16年からパラ馬術競技への取り組みを始め、見事に代表の座をつかんだ。今の嶋田にとって、同じ釜の飯を食った仲間の活躍は大きな刺激となっている。
他にも発奮させる同期がいる。先月の
マーメイドSを
シャムロックヒルで制し、重賞初制覇を達成した藤懸だ。「競馬学校から一緒の仲間ですからね。うれしかったです。他の同期たちも頑張ってますし、負けていられないです」と口元を結んだ。
次は自分の番だ。今週の
ラジオNIKKEI賞に、
アサマノイタズラとのコンビで参戦する。「オーナーと(手塚)先生は僕を乗せ続けてくれています。本当にありがたい。だからこそ、早く結果を残したいです」と人馬重賞初Vに意欲を見せる。
皐月賞は相手が強化された上、馬群の外を回る厳しい競馬を強いられた。ス
プリングS2着の実績が示す通り、重賞を勝てる力はある。「馬を信じて乗るだけです」。デビュー11年目の28歳は燃えに燃えている。
提供:デイリースポーツ