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【ラジオNIKKEI賞】サダムパテックと同じにおいがする素質馬タイソウの成長曲線/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年06月30日(水) 18時57分
 前走のメルボルンTを逃げ切って2勝目を挙げたタイソウ。デビュー前から西園調教師が「これは走る」と期待を寄せていた素質馬が、実りの秋に向けて3歳馬の登竜門・GIIIラジオNIKKEI賞(7月4日=福島芝1800メートル)に挑む。

「ここをステップに秋の神戸新聞杯へ向かいたい。そういう意味でも大事なレースだと思っている。何とか賞金加算を」

 こう話す西園調教師は、タイソウに厩舎の偉大な先輩2頭の面影を重ねている。

「この馬、サダムパテックのにおいがするんだ。ゆっくり走っているようで時計が出る。稽古の感じもそうだし、1歳の時の立ち姿もよく似ていたんだよね」

 2012年マイルCS勝ちを筆頭に重賞5勝を挙げたサダムパテック。デビュー当初から500キロを超える雄大な馬格の持ち主だったが、その体を手に入れるまでの経緯を振り返ってくれた。

「当時1歳のパテックを初めて見た時はキリンみたいな馬だなと思った。背が高くて、幅が薄くてね。でも、翌年の春に見たら別馬のような体になっていた。馬ってこんなに変わるの?って驚いたよ。大きな舞台を勝つ馬っていうのは、あれくらい変わるようじゃないとダメなんだろうね」

 若き日のサダムパテックが見せた驚きの成長カーブ。その曲線をたどるようにパワーアップしてきたのがタイソウだ。

「これも1歳時はキリンみたいな馬だなと思ったけど、どんどん良くなっていったんだよね。そういうところも踏まえたうえでパテックのにおいがするんだ。現時点で比較するのはかわいそうなのかもしれないけど、先々はあれくらい走る馬になってほしいと願っているよ」

 そして、もう一頭。「あの馬の忘れ物を」と西園調教師が思いを重ねるのが、09年ラジオNIKKEI賞4着→神戸新聞杯1着→菊花賞4着など、やはり重賞戦線で活躍したイコピコだ。

ラジオNIKKEI賞はハンデ頭の57キロ。あの時期の3歳馬に、あの斤量は厳しかった。タイソウも同じローテで行きたいと考えているし、何とかリベンジをと思っているんだ」と12年越しの悲願達成に力が入る。

 サダムパテックイコピコ…。西園厩舎を発展させてきた功労馬の系譜にタイソウの名も加わることを願って。馬券を“大層”買いまくろうと考えている次第である。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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