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【勝負の分かれ目 ラジオNIKKEI賞】丸山騎手がソツなく乗り、ヴァイスメテオールが快勝

  • 2021年07月04日(日) 17時50分
 2月の地震で被災した福島競馬場で、今年初めての開催が始まった。スタンドに損傷を受けたため無観客となったが、開催最初の重賞であるラジオNIKKEI賞のファンファーレが鳴った。小雨が降り稍重のコンディションのもと、フルゲートの16頭がスタートした。

 10番ワールドリバイバル、11番タイソウらが好スタートから先行する。それらを14番のノースブリッジがスタンド前でかわし、1、2コーナーへと入って行く。

 丸山元気が騎乗する4番人気のヴァイスメテオールは中団の内を進んでいる。

「ここ2戦、ゲートを出ていなかったので、ゲートには気をつけていました。スタートしてからはリズムよく行けました」と丸山。

 向正面に入っても、単騎先頭はノースブリッジ。鞍上が重心を後ろにかけて抑えているが、さらに前へと行きたがっている。

 2番手はタイソウ、その内にワールドリバイバルがつづく。

 ヴァイスメテオールはその3馬身ほど後ろの内につけている。先頭からは5馬身ほどか。

「ペースは流れるかなと思っていました。最初は行きたがったのですが、いいポジションにつけて、しっかり我慢してくれました」

 そう話した丸山が抑え切れないほどの抜群の手応えで進んでいる。

 1000m通過は1分0秒7。

 3コーナーで馬群がかたまり、逃げるノースブリッジと、ヴァイスメテオールとの差も3馬身ほどに縮まった。

 しかし、4コーナーに入り、先行集団がさらにペースアップすると、ヴァイスメテオールはやや置かれ気味になり、丸山の手の動きが激しくなる。

 4コーナー出口で、ヴァイスメテオールは、前を行くグランオフィシエアイコンテーラーの間を割ってスパートし、直線へ。

 ヴァイスメテオールは豪快に脚を伸ばし、ラスト200mを切ったあたりで内のノースブリッジを並ぶ間もなくかわす。最後の10完歩ほどは流すようにして、先頭でゴールを駆け抜けた。ハンデが54kgだったとはいえ、2着に2馬身半もの差をつけ、強さを見せつけた。

「イメージどおりに乗れてよかったです。(直線の手応えは)楽でした。新馬戦を勝たせてもらったときも、能力がある馬だと感じていました。大きい馬に特有の緩さなどがあったのですが、久しぶりに乗ると、力をつけていましたし、よくなっていました」

 そう振り返った丸山が、ほとんどコースロスなく乗り、力を引き出した。

 一方、同厩舎で1番人気に支持されたボーデンは、スタート後に行き脚がつかず、4コーナーで大外を回らされたことも響いて6着に終わった。それでも最後はよく追い上げていた。次に期待したい。

(文:島田明宏)

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