最初の区切りにリーチをかけた。デビュー3年目の
菅原明良騎手(20)=美浦・高木=は、先週終了時点でJRA通算99勝。100勝まであと“1”に迫った。
尊敬する大先輩の前で胸を張りたい。さかのぼること13年の1月14日。降雪により中山の開催が順延(5R以降)になった日に、騎手数人が菅原明の実家が経営する喫茶店に訪れた。柴田善たちだった。それは、物心がついた頃にはジョッキーを目指していたという11歳の少年にとって、感動的な出会いだったに違いない。「善臣さんにだっこしてもらったことは今でも覚えています。カラオケで“マル・マル・モリ・モリ!”も歌わされました(笑)」。あれから8年-。
メモリアルを達成した暁には、柴田善がプラカードを持ってくれるという。
20年は落馬負傷もあって30勝にとどまったが、21年は先週終了時点で、既に自己ベストを更新する38勝に到達。2月の
東京新聞杯(
カラテ)で涙の重賞初制覇も決めた。「取りこぼしたレースも多い。まだまだです」と謙虚な姿勢は崩さないが、春の新潟は開催リーディングを奪取。先週から始まった福島開催も3勝と上々のスタートを切っている。「福島リーディングを獲りたいですね」。ブレーク間近の若武者が夏競馬の主役になる。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ