「プロキオンS・G3」(11日、小倉)
大ベテランの熊沢重文騎手(53)=栗東・フリー=が、約4年ぶりの平地重賞騎乗で存在感をアピールだ。コンビを組むのは前走16着大敗からの巻き返しを狙う
タイガーインディ。11年
武蔵野Sを制した
ナムラタイタンと同じ大橋厩舎の管理馬で、当時以来約10年ぶりとなる平地重賞Vを目指す。
久々の挑戦に腕が鳴る。17年
小倉記念の
クランモンタナ(10着)以来、約4年ぶりの平地重賞に臨む熊沢。コンビを組む
タイガーインディは、前走の
栗東Sで16着と大敗したが、「前走はオープンの千四でペースに対応し切れなかった。マイペースで行けるこのくらいの距離の方がいい。乗るからにはチャンスがあると思って乗る」と反撃へ力が入る。
現在53歳。JRAの騎手では柴田善に次ぐ年長者だ。「同年代がいなくなってさみしいけどね」と思うこともある。ただ、競馬への情熱が変わることはない。調教で精力的に汗を流し、「ケアってほど大したことはしていないけど、体力が落ちないようにはしている。それには馬に乗るのが一番」と心技体の維持にも余念がない。
前回の平地重賞制覇は11年
武蔵野Sで、今回と同じく大橋厩舎が管理した
ナムラタイタンだ。大橋師は、自らが助手時代の担当馬
コスモドリームで88年
オークスを制した“盟友”に、「30年以上の付き合いになるけど、本当に誠実な男。ガッツもある。でないと、あの年まで障害に乗り続けられないよ。若い子も見習ってほしい」と全幅の信頼を寄せる。
手綱を託された鞍上も、「前走よりも良くなったと聞いているし、コースはどこでも関係ない。自分の形を貫くしかない」と先行策で活路を見いだす構えだ。衰え知らずの“いぶし銀”が、夏の小倉で大仕事をやってのける。
提供:デイリースポーツ