「
アイビスSD・G3」(25日、新潟)
夏の新潟開幕を飾る名物重賞は、1番人気の3歳牝馬
オールアットワンスが好位から抜け出し、キャリア6戦目にして重賞初制覇を決めた。騎乗した石川は今年の
小倉大賞典(
テリトーリアル)以来、管理する中舘師は17年
ファルコンS(
コウソクストレート)以来のタイトルとなった。2019年の覇者
ライオンボスは、昨年に続いて2着惜敗。14番人気の
バカラクイーンが、定石破りの内ラチ沿い粘走で3着に入った。
昨年の
ジョーカナチャンに続き、今年も牝馬が主役になった。新潟初参戦の3歳馬
オールアットワンスが、軽量51キロも生かし、越後名物の千直重賞をゲットした。
前の2頭を見ながら序盤は絶好のポジション。徐々にバラけだした残り300メートル過ぎ、
ライオンボスが外ラチ沿いから抜け出すと、すかさずその内からスパート。最内で粘る
バカラクイーンをパスし、2019年覇者を難なくかわして決着をつけた。
初めて手綱を取った石川は「スピードがあるのは(競馬を)見ていて分かっていたし、51キロで枠順も良かったですからね。彼女のスピードを信じて走らせました」と気合の騎乗を振り返る。「オリンピックは無観客ですが、競馬はお客さんの前で走れて、彼女が力を発揮して勝ち切ってくれました。素晴らしい金メダルです!」とパートナーをたたえた。
騎手時代、“千直名人”として鳴らした中舘師も「完璧でしたね」と満足そう。「
ライオンボスが強いのは分かっていたし、その後ろに入らず進路を確保して乗ってほしいと伝えた。うまく乗ってくれたし、馬の状態も本当に良かった」と熱戦を回顧した。
若き韋駄天娘は、この日のうちにノーザン
ファーム天栄(福島県)へ移動。早めの夏休みに入る。まだキャリアは6戦。秋の飛躍を夢見て、しばし英気を養う。
提供:デイリースポーツ