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ジャスティンスカイ函館芝二千で初陣 前々で粘る競馬ハマれば大成の可能性も/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2021年07月28日(水) 19時00分
 今年のセレクトセールは“ウマ娘”の藤田晋氏が総落札額23億円超の爆買いをしたことで大きな話題を集めた。

 では昨年は?

 ABCマートの創業者として知られる三木正浩氏がセール参加2年目にして総落札額10億円超に達したことで、やはり大きな注目を集めていた。つまり、三木正浩オーナーが“本格参戦”したのは今年の2歳世代からとなる。登録した上の世代の目下の成績は4歳が1頭でJRA1勝、3歳は10頭で2勝止まり。そろそろ、いや、是が非でも2歳世代での“回収”が至上命令になるのではないか。

 そんな記者の勝手な想像を背負ってデビューを迎えようとしているのが現在、函館競馬場に在厩して調整されているジャスティンスカイ(牡=父キタサンブラック母リアリサトリス・友道)。一昨年の当歳セール出身(落札価格9000万円)で、厳密には本格参戦前の購入馬となるが、当時から現2歳を“本腰世代”に見据えていたのではなかろうか。

 初陣は日曜(8月1日)の函館芝2000メートルで、鞍上にはルメールを予定。21日の1週前追い切りではウッド併せ馬できっちり先着を果たした。

 騎乗した荻野琢は「ペタッとした走りで、悪く言うと超ワンペースなんです。車に例えるなら3速(ギア)がものすごく速くて、4速がないとでも言うんでしょうか。(その前週の追い切りに乗った)クリストフ(ルメール)も“キタサンブラックと同じでスーパーワンペース”と笑っていました。ただ、乗り味だとか、背中はすごくいいんですよね。ギアが入っている感じではないのに、メチャメチャ動けるんです」と独特の例えを交えて説明してくれた。

 2人のジョッキーが“ワンペース”と口を揃えるのだから、実際そうなのだろうが…。父キタサンブラックしかり、“超一流のワンペース”は確かに存在する。

「切れる脚を使えるタイプではないんでしょうが、前々で粘るような形で持ち味を生かす競馬がハマるようなら、大成する可能性もあるんじゃないでしょうか」(荻野琢)

 函館在厩中の友道厩舎の馬の調教を数多く手伝っている荻野琢には、友道調教師からもたびたび馬の状態について確認の電話が入るというが、ジャスティンスカイのことはより熱心に聞いてくると感じるそうだ。新進オーナーに対して、結果で応えたいのは経営者(=調教師)なら当然のことでもある。

 担当する松館助手は「追い切りを重ねるごとに動きや息遣いが良くなってきました。乗った騎手が口を揃えるように、切れる感じではないですけど、前に行ける脚としぶとさがありそうですね。ルメールにも追い切りでそのあたりをつかんでもらえたのは良かったです。この時期の2歳としては完成されていますし、洋芝、距離ともに合いそうですから」。

 “ワンペースの最高峰”に君臨したキタサンブラックの背中に近づくことができるのか、今週末のジャスティンスカイの走りに注目してほしい。

(立川敬太)

東京スポーツ

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