「
レパードS・G3」(8日、新潟)
1番人気に支持された
メイショウムラクモが、好位から早めの仕掛けで先頭に立ち、後続を難なく突き放して登竜門レースをV。鞍上の
柴田善臣騎手(55)=美浦・フリー=は20年1月の
愛知杯(
デンコウアンジュ)以来の重賞タイトルを手にするとともに、JRA重賞最年長勝利を決めた。2着は10番人気の
スウィープザボード、3着には6番人気の
レプンカムイが入った。
3歳馬に41歳の若手調教師。そんなフレッシュな組み合わせに初タイトルをもたらしたのは、競馬界が誇る55歳の大ベテランだった。1番人気に推された
メイショウムラクモが、道中2、3番手から4角で早めに前をとらえ、最後は後続に3馬身差をつけて圧勝。岡部幸雄元騎手の54歳0カ月31日を更新し、55歳0カ月10日でJRA重賞最年長勝利を決めた柴田善が笑顔をのぞかせた。
直線でステッキを落とすアク
シデントこそあったものの、相棒を懸命にしったして重賞タイトルへ導いた。殊勲の鞍上は「大事なところでステッキを落としたし、あんまり格好いい勝ち方ではなかった。馬はすごく格好良く走ったけど」と振り返り、記録については「次々と下のジョッキーも追い付いてくるんで。そのうち抜かれるでしょうから。取りあえず記録ができたことはうれしいが、きょうは100%関係者の力。私は乗っているだけでした」と“善臣節”を繰り出した。
これが自身の重賞初Vとなった和田勇師は「気が悪くて、私が乗っても抑えるのが難しい。善臣さんが乗って、競馬を教えて走るようになった」と感謝しきりだ。ここまで兵庫CSや
ジャパンダートダービーなど、大舞台とは縁がなかったことに「出ていればどれかは勝っていたと思う。この馬には悪いことをした」と語った指揮官は、秋に向けて「古馬とやるには、もう一段階
パワーアップしないと。次は心身の
バランスが整ってから逆算して決めたい」と腕ぶした。図らずも“ノーステッキ”で地力を示した3歳馬は、ベテランの手綱で快進撃を続けていく。
提供:デイリースポーツ