「
北九州記念・G3」(22日、小倉)
5番人気の
ヨカヨカが直線で外から末脚を伸ばして差し切り勝ち。熊本県産としても、
ヨカヨカ自身にとっても初めてのJRA重賞Vを達成した。会心の騎乗で勝利をエスコートした幸は、「必死でした。内の馬も粘っていたし、外からも来ているのは分かっていましたから。最後は無我夢中で追いました」と興奮を隠し切れなかった。
普段は冷静な45歳のベテランが熱くなるのも無理はなかった。2020年、師匠である谷八郎元調教師が他界。さらに熊本の生産者の思いも背負っていた。自身も同じ九州の鹿児島出身とあって、並々ならぬ思いで臨んだ一戦だった。「谷八郎先生が亡くなってから、先週がちょうど一周忌でした。その関係もあって…。すごくうれしいです」と声を詰まらせた。
谷八郎師の後を継いだ子息である
谷潔師も、「父が後押ししてくれたと思います。重賞で2着が続いていましたが、何とか九州産馬を九州の競馬場で勝たせたいと…。本当に感無量の言葉に尽きますね」と熱い涙は止まらなかった。さあ、次はG1の大舞台が待っている。今後についてトレーナーは「秋は
スプリンターズS(10月3日・中山)を目標にしていくことになると思います」と明言した。
阪神JF(5着)、
桜花賞(17着)では届かなかった
ビッグタイトル。今度は九州産初のG1奪取を目指して、
ヨカヨカの熱いドラマは続いていく。
提供:デイリースポーツ