「新潟2歳S・G3」(29日、新潟)
力強い走りに落ち着きも備わった。東京での新馬戦を快勝して挑む
アライバルは25日、美浦坂路を単走で駆け上がり、万全の仕上がりをアピール。引き続きルメールとのコンビで、重賞タイトルを頂く。
まだ日の上がる前の薄暗い中から、ひと目で分かる派手な流星が姿を現す。威風堂々、登場したのは
アライバル。重賞初挑戦Vを狙い、美浦坂路を力強く登坂した。
静かな発進から徐々にギアを上げていくと、最後1Fはしっかりと追われてフィニッシュ。豪快なアクションで4F52秒2-38秒3-12秒9を刻んだ。動きを見届けた栗田師は「ここ2週に渡って下(美浦W)でしっかりとやってきたので、やり過ぎないように坂路で。馬場は重そうだったけど、順調ですね。これ以上は根を詰められない」と納得の表情を浮かべた。
6月の東京新馬戦を快勝し、放牧を挟んでここを目標に定めた。「前回は(
テンションが高くて)単走主体の調整だったが、今回はより競馬に近い設定で攻められている。調教の前後も落ち着いているし、メンタルの部分が成長したおかげで調整もやりやすい」と師は説明。手応えをつかんだ様子だ。
半姉
ククナは20年アルテミスS2着、21年
デイリー杯クイーンC3着と重賞でも善戦。その姉も手掛ける指揮官は「もちろん牡馬と牝馬でタイプは違うけど」と前置きしつつ、「
アライバルの総合力はかなり高い。心肺機能が強いし、この感じなら距離も持ちそう」と高いポテンシャルを感じ取っている。
目指すは暮れのG1、そして来春のクラシックだ。「まだ気持ちが高ぶりやすかったり、脚元に少し弱い面があったりで回数をあまり使えないタイプ。
ピンポイントで狙っていきたい」。世代の頂点を狙うべく、真夏の越後から羽ばたく準備は整っている。
提供:デイリースポーツ