今週で夏開催が終了し、来週からは中山と中京での開催がスタート。開幕週に組まれた新馬戦は全部で8鞍で、芝もダートもあって、距離も1200mから2000mまであり、選択肢が増えた。これぞ本場開催といったところだろう。
ただ、今週の小倉芝1800m。2018年にこの番組でデビュー勝ちした馬を覚えていらっしゃるだろうか。そう、
宝塚記念連覇など、GIで4勝を挙げている
クロノジェネシス(栗東・
斉藤崇史厩舎)。また、2019年には
ヴェルトライゼンデ(栗東・
池江泰寿厩舎)がここを勝ち、その後は
ホープフルS2着、
日本ダービー3着などGIで好走。夏の終わりに見逃せない新馬戦がひとつ、といった感じだ。
【9月4日(土) 小倉芝1200m】
◆
メルヴィル(牝、父
ミッキーアイル、
母アブソルートリー、栗東・
音無秀孝厩舎)
母系には2010年、2011年の
高松宮記念を連覇した
キンシャサノキセキ(
父フジキセキ)がいる血統。そして、父は現役時代に同厩舎で管理され、
NHKマイルC、
マイルCSのGIを制した
ミッキーアイル(
父ディープインパクト)。これらの馬名を聞いて、スピードを期待せずにはいられない。
そんな期待を裏切らなかったのが、8月25日の坂路。古馬1勝クラスとの併せ馬だったが、1F目から14秒を切るラップで飛ばしていったのにもかかわらず、最後までスピードが衰えることなく、4F51.6秒。後半も2F24.6秒、1F12.3秒でまとめている。これなら実戦でもスピードを武器に好走が期待できそう。
鞍上は
松山弘平騎手が予定されている。
【9月4日(土) 札幌芝1500m】
◆
ドーブネ(牡、
父ディープインパクト、
母プレミアステップス、栗東・
武幸四郎厩舎)
今年の千葉サラブレッドセールにて、セール史上最高落札額の4億7010万円(税抜)で取引され、サイバーエージェント社長の藤田晋氏の所有馬ということで注目を集めている
ディープインパクト産駒。
函館競馬場に入厩し、函館Wで追い切りを開始した後、函館芝で時計を出す。その後は札幌競馬場へ移動し、8月19日と8月26日に札幌芝で追い切り。いずれもレースで騎乗予定の
武豊騎手が跨っているが、年長馬を相手にきっちり先着する動き。
特に先週は追い切りでも抜群の動きを見せる
オンラインドリームを追走して、楽々と交わしていく力強い走り。ただ、気持ちが走り過ぎるとコントロールが難しそうなタイプでもあるだけに、そのあたりが実戦に行ってどうかだろう。
デビュー戦に関しては、この番組だけでなく、9月4日(土)札幌芝1200mも視野に入っており、9月5日(日)の
すずらん賞(札幌芝1200m)には特別登録を行っている。
【9月5日(日) 小倉芝1800m】
◆
ドウデュース(牡、
父ハーツクライ、
母ダストアンドダイヤモンズ、栗東・
友道康夫厩舎)
フラーレン(父
Pioneerof the Nile)はダートで2勝、
ロンズデーライト(
父ディープインパクト)はダートで1勝と、きょうだいはいずれもダートで結果を出している血統。そんなこともあって、普段の脚さばきには硬さもあるようだが「追い切りに騎乗したジョッキー(
武豊騎手)の話だと『スピードに乗るといい走りをしますね』ということでした」と
友道康夫調教師。
追い切りでは8月12日のCWの時点で素晴らしい動きを見せていて、その後も併せ馬では常に先着。8月25日のCWではレースでも騎乗予定の
武豊騎手が跨り、3頭併せで最先着。時計も6F81.3-5F66.1-4F51.4-3F37.5-1F12.0秒と優秀だし、初戦から注目を集めて当然の動きを見せている。
◆
サトノラッシュ(牡、
父ダイワメジャー、
母エレアノラデュース、栗東・
音無秀孝厩舎)
母系には2019年
フィリーズレビューを制した
ノーワン(
父ハーツクライ)がいる血統。本馬は7月17日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ入厩し、7月23日にはゲート試験を合格。その後も在厩したまま、調整が進められている。
8月18日の坂路では新馬と併せて、大きく遅れ。1F14.2秒も要していたが、これは雨の影響を受けた重たい馬場が原因だろう。比較的走りやすかった8月26日の坂路では、別の新馬と併せて先行したとはいえ先着、4F53.3秒と水準の時計をマークした。乗り込み本数は十分なだけに、中身は出来ているはず。
鞍上は
松若風馬騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)