「
セントライト記念・G2」(20日、中山)
伏兵が秋の中山で躍動した。
皐月賞16着、
ラジオNIKKEI賞12着と惨敗続きだった9番人気の
アサマノイタズラが、4角11番手から豪快な差し切りで重賞初制覇。
菊花賞(10月24日・阪神)への優先出走権を獲得した。2着は2番人気の
ソーヴァリアント、3着には5番人気
オーソクレースが続き、1番人気の
タイトルホルダーは13着に沈んだ。
アッと驚く一撃だった。9番人気の伏兵
アサマノイタズラが、後方からメンバー最速となる上がり3F34秒6の末脚で差し切り、重賞初制覇を達成。「今回は
菊花賞へ向けてどうやって権利を獲ろうかと考えていたが、まさか勝ち切ってくれるとは。びっくりしました」と初コンビで見事に結果を出した田辺も驚きを隠せなかった。
「スタートは良かったけどマイペースを守る感じで行きました。
ゴーサインを出してからの反応はすごく良かったです」とレースを回顧。後方でじっくりと構え、末脚を温存。鞍上の大胆な騎乗がハマり、新たな一面を引き出した。
管理する手塚師は、この日が57歳の誕生日。「きょうの競馬を見る限り、ジッとして脚をためる形が良かったようだね。いい誕生日プレゼントをもらいました」とWの喜びに満面の笑みを見せた。
次なる
ターゲットは、クラシック最後の1冠・
菊花賞。指揮官が「道中の折り合いはつくし、距離は大丈夫だと思う」と3000メートルの戦いに意欲を見せれば、田辺も「ずっと一線級と戦ってきた馬で、いつ勝つチャンスが来てもおかしくないと思っていた。もう一つ大きいところを狙っていきたいです」と、さらなる高みを見据えた。中山で自信をつかんだ人馬が、本番でも不気味な存在になりそうだ。
提供:デイリースポーツ