全休日明けの火曜、トレセンで清水英調教師に「このまま優勝できそうですかね?」と尋ねると「大丈夫だろう」と自信満々の笑みで応えてくれたが、これは競馬でなく、千葉ロッテマリーンズの話。まだ本拠地が川崎球場だったころ、記者は毎年ファンクラブに入り、3冠王を3度も獲得した落合博満や村田兆治に声を張り上げ応援していたが、清水英師も生粋のロッテファンで、マリンスタジアムで一緒に観戦もさせてもらった。そのロッテは週末の連勝で2位オ
リックスに3ゲーム差をつけ、バレンタイン時代の05年以来となるリーグ優勝が近づきつつあり、ついつい会話も弾んでしまう。
「今年はチームがまとまっているし、粘り強さが違うよ」と清水英師は好調の要因を分析するが、土曜(10月2日)中京メインの
シリウスS(中京ダート1900メートル)に出走する
ケイティブレイブも前走の
エルムSで粘り強さを見せた。転厩初戦で13か月半ぶり、体も余裕残しに見えたが、直線入り口では“あわや”と思わせる手応えで、内からしぶとく粘り腰を発揮し、6着と地力を示した。
「あの時は普通キャンターでも息が上がっていたし、手探りなところもあったけど、レースであそこまで走れるんだから、やっぱり持っている能力は高いよ」と清水英師。
続けて「転厩当初は集中し切れないところもあったけど、今は環境にも慣れてコースでもしっかり調整できている。使い込んだ状態よりは、長期休養明けで真っさらな状態でうちに来たのも良かったね」と語るように、一からしっかり仕上げていけたことも大きかったようだ。
さらに「前走後も脚元に不安はないし、さすがはオープン馬だけあって自分でしっかり体をつくるからね。体調自体もガラッと変わってきたし、それに伴って走りや中身もだいぶ違ってきた」と上昇ぶりに手応え十分。
交流GI勝ちの実績から、登録していた29日の交流GII
日本テレビ盃に出走かとも思ったが、清水英師は「もう一度、チャンピオンズCにチャレンジしたい。今年は同じ中京での開催だし、本番へ向けていい
ステップになるしね」と
シリウスS選択の理由をこう口にする。
18年のチャンピオンズCは2番人気に支持されながら11着と敗れた。そこから3年の時を経て再び大舞台でのリベンジを目指せるだけの態勢はしっかり整いつつある。
久々のロッテ優勝、
ケイティブレイブの復活V…。記者はどちらも見られるのではないかと、ひそかに期待を膨らませている。
(美浦の
マサカリ野郎・松井中央)
東京スポーツ