近年、芝1200mの重賞はスローペース化の一途を辿っていますが、
小倉2歳S・
北九州記念、そして
スプリンターズSだけはスローペースにはならない「現代競馬では特殊な1200m重賞」です。
つまり極限のスピード勝負となりやすく、そういうタフな流れに対応できるかどうかが予想をする上で重要です。
では、どういったデータに注目すれば、タフな流れに対応できると見極められるのか?
スプリンターズSでは【前走から距離短縮した場合の連対率】で明確な差が出ています。
下記が過去20年
スプリンターズS出走馬を距離短縮時の連対率で分けた場合の成績です。(※
スプリンターズS出走時点の連対率)
■距離短縮時の連対率が50%以上(19,13,11,123) 勝率11% 単勝回収102%
■距離短縮時の連対率が50%未満(1,7,9,127) 勝率1% 単勝回収1%
ちなみに距離短縮時の連対率50%未満で
スプリンターズSを勝利したのは2002年の勝者
ビリーヴ(6戦2連対)。この年の
スプリンターズSが新潟で行なわれたことを考えれば、上記の傾向は中山で行なわれる
スプリンターズSでは有力なデータだと言えるのではないでしょうか。
つまり、前走よりも速い流れになっても力を発揮できる馬は
スプリンターズSの流れにも対応しやすく、
逆に距離短縮への対応が得意ではない馬はスプリンターズSの速い流れにほとんど対応できない。今年の
スプリンターズSでは、この見立てをベースに予想を進めることになります。
「今年はどの馬がこの条件を満たしているのか?」、そして人気を集めるであろう
レシステンシアに関する不安要素など「条件を満たした有力馬の評価」、そして
私が狙っている「買いの3頭」をnetkeibaTVでお話ししました。ぜひ予想の参考にしてください。
(解説:岡村信将)
■プロフィール
岡村信将(おかむら のぶゆき)山口県出身、フリーランス競馬ライター。関東サンケイスポーツに1997年から週末予想を連載中。自身も1994年以降ほぼすべての重賞予想をネット上に掲載している。1995年、
サンデーサイレンス産駒の活躍を受け、スローペースからの瞬発力という概念を提唱。そこからラップタイムの解析を開始し、 『ラップギア』 と 『瞬発指数』 を構築し、発表。2008年、単行本 『タイム理論の新革命・ラップギア』 の発刊に至る。能力と適性の数値化、できるだけ分かりやすい形での表現を現在も模索している。