今週は
菊花賞。
菊花賞の週に行われる京都芝1800mの新馬戦は、2008年をきっかけに「伝説の」という形容詞がつくようになった。その理由は1着
アンライバルド(
皐月賞1着)、2着
リーチザクラウン(
日本ダービー2着)、3着
ブエナビスタ(阪神JF1着など)、4着
スリーロールス(
菊花賞1着)と、それぞれがGIで好走したこと。5着だった
エーシンビートロンはダートの交流重賞、
サマーチャンピオンを制しており、掲示板に載ったすべての馬が重賞勝ち。まさに伝説の新馬戦だった。
10月25日に行われた京都芝1800mの新馬戦は
シャフリヤール(栗東・
藤原英昭厩舎)が勝利。ご存じの通り、今年のダービー馬となった。今年は阪神競馬場での開催となるが、後に語り継がれるようなレースになるだろうか。
【10月23日(土) 東京芝2000m】
◆
ジュンブロッサム(牡、父
ワールドエース、
母エンプレスティアラ、栗東・
友道康夫厩舎)
半姉に芝で4勝を挙げた
レッドレグナント(父
ロードカナロア)、母系に2017年
エリザベス女王杯を制した
モズカッチャン(父
ハービンジャー)がいる血統。本馬は2020年セレクトセール1歳にて、7800万円で落札されている。
「牡馬にしては線の細いところはありますが、動きはいいですね。本来の予定ではもう少し先にデビューする予定だったんですが、これだけ動けば、ということで予定を繰り上げました」と
友道康夫調教師。10月7日のCWでは6F81秒台をマークしており、時計的にも十分動けている。鞍上は
武豊騎手が予定されている。
◆
インディゴブラック(牡、父
キタサンブラック、
母カーニバルダクス、栗東・
奥村豊厩舎)
父
キタサンブラックは新種牡馬。続々と新馬勝ちしているが、その中でも一躍目立ったのは本馬と同馬主の
ラスール(美浦・
藤沢和雄厩舎)。2着に3馬身半の差をつけた圧勝はインパクト抜群だった。
本馬は2020年セレクトセール1歳にて、1500万円で落札されている。
奥村豊調教師は「まだ成長途上ということもあって、手前を替える時に器用さを欠くところはありますが、現状ではリズムよく走らせることを意識しています」とのこと。10月13日にはCWでレースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨って追い切り。6F85.9秒と全体時計は遅かったものの、ラストは12.0秒でしっかりした動きだった。
【10月24日(日) 阪神芝1800m】
◆
リアド(牡、
父ディープインパクト、
母タイタンクイーン、栗東・
友道康夫厩舎)
半兄に2018年
鳴尾記念で重賞を制した
ストロングタイタン(父
Regal Ransom)がいて、本馬は2019年セレクトセール当歳にて、4億7000万円で落札されている。
芝2000mの重賞を勝った
ストロングタイタンも現役終盤は短い距離を使ったように、体型的にもマイル以下がベストという印象の強い血統。ただ、本馬については「きょうだいは気の勝ったタイプが多いと聞いていますが、この馬はおっとりしていますよ。体型的にもディープが出ていて、胴長で長い距離が合いそうです」と
友道康夫調教師。10月14日は芝馬場でレースで騎乗予定の
福永祐一騎手が跨り、5F63秒台の時計をマーク。10月7日のCWでは6F80秒を切るなど、追い切りではスピードある動きを見せている。
◆
アルファヒディ(牡、
父ハーツクライ、
母ドバイマジェスティ、栗東・
池江泰寿厩舎)
半兄に2017年
皐月賞、2019年
大阪杯を勝った
アルアイン(
父ディープインパクト)や今年の
日本ダービーを制した
シャフリヤール(
父ディープインパクト)がいる。
本馬は7月21日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩し、ゲート試験合格後に放牧。9月19日に再び栗東へ戻ってきて、坂路とCWを併用しながら調整が進められている。10月14日のCWでは、レースで騎乗予定の
C.ルメール騎手が跨り、3頭併せの真ん中。外で先行していた古馬は競り落としたものの、内から新馬に追い抜かれて即座に反応するという感じではなかった。ただ、ゴール前はまだ余裕があり、このひと追いでどのくらい変わってくるかといった感じ。
(取材・文:井内利彰)