「
菊花賞・G1」(24日、阪神)
菊花賞に
ヴィクティファルスを送り出す
池添学調教師(41)=栗東。その鞍上には兄の
池添謙一騎手(42)=栗東・フリー。兄弟の熱い思いを乗せて、ラスト1冠獲りに挑む。
4走前のス
プリングSは、11度目の挑戦でようやく実った兄弟での重賞初制覇だった。レース後、抱き合って喜びを爆発させた2人にとって、次なる
ターゲットはG1制覇。ただ、
皐月賞9着、ダービー14着と思うような結果が出なかった。
菊花賞こそは-。反撃を誓い、日々の調教にまたがる弟・学師も力が入る。「首の使い方が今までで一番いい。前走よりも落ち着きがあるし、トモもしっかりとした」と仕上げに胸を張った。兄・謙一も「折り合いがついて乗りやすいけど、阪神の三千はタフになる。一瞬の脚をうまく生かせるように。乗り方ひとつでチャンスがある」と期待を込める。
年齢は1歳違い。父・兼雄師が温かい表情で見守る。「謙一は小さい時から勝負師でジョッキー向きだった。学は穏やかで人付き合いもうまく、調教師向きの性格をしていた」。それぞれの道を歩んだ2人は今、勝利という目標へ向かい、同じ道を突き進んでいる。
思いは一つだ。「
皐月賞、ダービーと一緒に臨めて楽しかったし、うれしい気持ちがあった。数あるかなえたい夢の中の一つなので」と、兄弟でのG1制覇を意識する主戦。トレーナーも「僕自身、G1を勝っていないので、それが兄弟でなら言うことないですね。謙一騎手もチャンスをものにしてくれる騎手だと思うので、楽しみにしています」と信頼する。弟の最高の仕上げに、兄が最高の騎乗で応える。(デイリースポーツ・井上達也)
提供:デイリースポーツ