「最も強い馬が勝つ」といわれる牡馬クラシックの最終戦。3000mの距離にスタミナの底力を競うのだが、今年は京都競馬場改修工事のため42年ぶりに阪神開催となるのがポイント。内回りコースを1周半。ゲートから最初のコーナーまで距離があること。3角に上り坂がない代わりにゴール前に急坂が待ち受けていることなど京都競馬場の3000mコースとはレイアウトが大きく異なることがポイントになりそうだ。
◎
ステラヴェローチェは不良馬場で行われた
神戸新聞杯優勝馬。レコード決着となった
朝日杯フューチュリティSは0.1秒差2着で、稍重馬場の
皐月賞は2着
タイトルホルダーからクビ差3着。瞬発力勝負になったダービーでも1、2着馬と同じ33.4秒の末脚を繰り出して0.2秒差3着と堅実な勝負を繰り返してきた。3000mは決してベストではないかもしれないが、同世代の馬たちが相手ならば、大きな壁になることはないはずだ。
〇
レッドジェネシスは
京都新聞杯の優勝馬。
京都新聞杯も強かったが、3月の
ゆきやなぎ賞は前半1000m62.4秒のスローペースを最後方で待機。向こう正面を過ぎたあたりから一気に進出し、最後はメンバー中最速上がりタイムで完璧な勝利を収めている。この時示した自在性は、長距離レースでは大きな武器になる。
▲
ヴァイスメテオールは
ラジオNIKKEI賞優勝馬。このレースでは春シーズンの課題だったゲートを克服し、中位追走から4角手前でスパート。コーナーリングの巧みさと、追われてからの伸び脚が印象的なレースとなった。過去3勝はいずれも時計がかかる馬場状態だったが、4着だった
プリンシパルSは逃げ、先行馬が有利にレースを進める中でメンバー最速となる33.4秒の末脚を繰り出している。一気の距離延長は微妙だが、楽しみな1頭だ。
逃げ、あるいは先行したい△
タイトルホルダーは絶好枠を引き当てた。
弥生賞は前半1000mが62.6秒と恵まれたが、
皐月賞は60.3秒。中山競馬場芝2000mコースはスタート直後に坂があり、しかも57キロを背負った3歳馬ということを考えれば楽なペースではなかった。前走の
セントライト記念は大きな不利を受けて力を出し切れなかった。同じように
セントライト記念では行き場を失うシーンがあった△
ヴィクティファルスともども改めて期待したい。
穴なら紅一点の△
ディヴァインラヴ。体重を増やしながら古馬混合の特別レースを2連勝。ゆったり目のペースにしっかりと折り合い、ジョッキーの
ゴーサインにも素早く反応した。1戦毎に力をつけてきている印象で楽しみな1頭だ。