GIシリーズも今週はクラシックの3冠目・
菊花賞(GI・阪神芝3000m)のスタートとなる。今年は
皐月賞馬もダービー馬もいない。出走するどの馬にとっても初のGIタイトル争奪となる一戦である。
先週の
秋華賞同様注意しておきたいのは、開催コースが例年の京都ではなく、阪神競馬場になるということ。例年のデータがどれくらい機能するのかは未知数だ。それでも天気は日曜日まで持ちそうなので、良馬場でのレースが期待できそうだ。
人気上位になりそうなメンバーとしては、前走
神戸新聞杯を勝った
ステラヴェローチェ(牡3・栗東・須貝厩舎)。前走久々の出走となった
セントライト記念で3着となったルメール鞍上
オーソクレース(牡3・美浦・久保田厩舎)。
神戸新聞杯2着
レッドジェネシス(牡3・栗東・友道厩舎)。前走
セントライト記念を人気薄で勝った
アサマノイタズラ(牡3・美浦・手塚厩舎)など。絶対的な存在がいない上に、全頭にとって初の距離戦となるだけに波乱目もありそう。今回も過去10年データから馬券傾向を探っていこう。
1 波乱傾向は低め? 堅いタイプのGI戦?
菊花賞は、やはりイメージのとおり、馬券傾向としてはやや堅め。
過去10年、馬連は1回万馬券(17年)があるだけ。ほかは4回が10倍以下、あとの5回も50倍以内に収まっている。3連複も10万円超えが1回だけ(17年)。あとはどの年も2万円台にさえ乗っていないのだ。ちなみに3連単も10万円台超えは2回だけ。万馬券にさえならなかった年も3回ある。あまり派手に狙っていくような馬券はムリ筋かも…?
2 前走
神戸新聞杯を使った1番人気は強い!
馬券が堅いということは、上位人気がキッチリ走っているということ。
過去10年で1番人気馬の成績は【6-0-2-2】。なぜか2着にはなれていないが、馬券圏内キープ率は80パーセントである。
しかも馬券になっている1番人気馬は、すべて前走
神戸新聞杯経由。着順でいえばそこで2着までの馬。まあ
神戸新聞杯で上位になった馬は、
菊花賞でも人気になり、そして馬券にもなるということだろう。
ちなみに
菊花賞1番人気で、3着以下に負けた馬は2頭だけ。14年
ワンアンドオンリー(9着)と18年の
ブラストワンピース(4着)だ。
ワンアンドオンリーはダービー1着から休み明け
神戸新聞杯で1着という黄金ローテだったが本番で敗戦。
ブラストワンピースは前走が
新潟記念(GIII・新潟芝2000m)1着という例外のローテからの本番敗戦となった。
今年の1番人気はおそらく
ステラヴェローチェ。前走
神戸新聞杯1着というのは条件的に好走パターン。しかしその
神戸新聞杯にしても異例の中京競馬場開催だっただけに、例年のパターンを引き継げるのかどうかは未知数でもある。
3 関西馬が圧倒?
菊花賞の馬券になっている馬は圧倒的に関西馬だ。
過去10年、30頭中27頭が関西馬で占められる。馬券になっている関東馬3頭というのは、14年3着
ゴールドアクター(7番人気)、18年1着
フィエールマン(7番人気)、20年3着
サトノフラッグ(5番人気)だけ。
菊花賞は、それ以前を遡っても、関西馬圧倒という傾向はずっと変わっていないのだ。関東馬は馬券圏内にからんでも1頭だけ。複数が馬券に絡むことはない。
今年は上位人気に関東馬が数頭入ってきそうだが、関東馬が2頭以上馬券内に絡むという状況は、これまでの
菊花賞の傾向を見れば難しいのか?
4 なぜか内枠の奇数馬番が良い?
先ほど1番人気馬が強いということは述べたが、その1番人気の馬たちはなぜか奇数馬番に入っての好走ばかりだった。
1番人気で馬券圏内になった8頭中7頭が奇数馬番からの好走。ただ1頭の例外は14番に入った11年の
オルフェーヴル(1着)だけである。今年も1番人気馬は奇数馬番に入るのが理想かも?
ほかの特徴としては内枠が優勢。特に1枠と2枠はわりと好走傾向が強い。穴馬は内枠から出るのかも?
5 人気薄馬が絡むとしたら?
堅い、堅いといっても、人気薄がまったく走らないわけじゃない。
8番人気以下を人気薄とすれば、過去10年では5頭が馬券に絡んでいる。ただ、それらが絡んだとしても上位人気との組み合わせなので、馬券は跳ねないというワケだ。
一番配当が良かった17年(不良馬場)にしても、1番人気の
キセキが勝ち、2着に10番人気の
クリンチャー、3着に13番人気
ポポカテペトルという組み合わせ(馬連10660円・3連複13万6350円・3連単55万9700円)。
クリンチャーは
セントライト記念9着からの巻き返し。
ポポカテペトルは前走
阿賀野川特別1着からの人気薄パターンだった。しかしこの2頭も関西馬。今年も人気薄ならば関西馬狙いということか?
(netkeiba編集部)