障害レースで活躍する
五十嵐雄祐騎手(37)=美浦・フリー=が10月29日、自身のツイッターを更新。「今日の障害試験をもちまして、自分の中で北馬場の障害練習は終わりました。約20年、調教の日は、ほぼ毎日北馬場で騎乗がありました。寂しい気持ちになります。北馬場好きでした。ありがとうございました」(原文まま)とつづった。
ゴーカイ(00年、01年
中山グランドJ連覇)や
ブランディス(04年
中山大障害、
中山グランドJ)、もちろん
オジュウチョウサンも使った歴史ある調教コース。78年に美浦トレセンが開場されてから43年間運用され、多くの名ジャンパーを送り出した北Aコースは10月をもって閉鎖され、11月からは南馬場に完全移転されることになる。
新しい南馬場の障害コースは既に運用が始まっている。五十嵐は「馬がどう感じているかは分かりませんが、(スタンド)正面の障害芝コースは今までより若干広く感じるし、使い勝手は今のところ悪くないですね」と感触を伝える。
新たな障害コース(南Aコース)は“北馬場と同じような使い心地”を
コンセプトに設計されたという。「当初の移転プランでは南Bコース(ダート)の入り口と障害の場所がかぶっていたので、南Bコースの入り口を外側に移動してもらうなど、いろいろと工夫してもらいました。今のところ平地で追い切る馬との、大きなトラブルはありませんね。ただ、今度から障害馬が全て南馬場に来ますからね。お互いに気を付けないと…」と気を引き締める。
これからは障害を練習する馬と平地の追い切り馬が重なるケースも増えてくるだろう。調教中の事故のリスクなど、クリアすべき課題も出てくるかもしれないが、これまでより障害練習を身近に見られるのは楽しみだ。個人的には障害レース予想の精度アップに繋げたいと思っている。
新調教スタンドが11月上旬から使用開始されるなど、美浦トレセンの大規模改造計画は順調に進行中。長らく使われてきた美浦の北馬場も、坂路コースの延伸工事が完了する23年頃には、その役目を終えることになる。今までの調教風景が変わっていくのは少し寂しいが、“ニュー美浦トレセン”の完成を今から心待ちにしたい。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ