「
マイルCS・G1」(21日、阪神)
断然の1番人気に支持された
グランアレグリアが、大外から力強く伸びて快勝。見事連覇でG1・6勝目を挙げ、ラストランを勝利で飾った。このVにより、JRA獲得賞金累計額は10億7381万3000円に(歴代13位)。また、鞍上のルメールはJRA通算1500勝に到達した。2着は2番人気
シュネルマイスター、3着には5番人気
ダノンザキッドが入った。
坂を上ってラスト1F。まだ
グランアレグリアはラチ沿い3頭の追い比べの3馬身も後ろにいた。でも、はじける末脚の次元が1頭だけ違う。大外を一気に突き抜け3/4馬身。主戦ルメールは左拳を握ると、左右のうなじに惜別の愛撫(あいぶ)で、自身のキャリア屈指の相棒に別れを告げた。
「安心しました。本当にうれしい。ラストランになるので本当の
グランアレグリアを見せたかった。他馬と走り方が違いましたね」。単勝1・7倍の1番人気に応え、ホッとひと息だ。「素晴らしい馬。シンプルな騎乗で勝てると思った」。ゲートは抜群とはいかず、後方になったが「
ダノンザキッドの後ろが取れた。ちょうどいい」とそのまま我慢。直線は距離ロスをいとわず、広い大外で持ち味を引き出してG1・6勝締めを果たした。
ここでルメールも自身のJRA通算1500勝目を挙げるあたり、さすがは役者が違う。「一番うれしいのは藤沢和先生の馬で記録が達成できたこと。
グランアレグリアで達成できたことは、これからもずっと記憶に残ると思います」。史上最多となる
マイルCS6勝目をマークした藤沢和師は「無事に終了。ひと安心です。あの位置でしまいはしっかり伸びた。天皇賞の時、こういう指示を出せば良かったのかと」と振り返った。
今後は北海道ノーザン
ファームで繁殖牝馬となる。「素晴らしい母(=
タピッツフライ)ですし、この馬も素晴らしい馬。すてきな母馬になると思います」と師は太鼓判を押した。米G1・2勝の母は2018年にこの世を去り、生存する産駒は
アレグリアのみ。自身の牝系をつなぎ、広げていく大仕事が待っている。
提供:デイリースポーツ