年末の名古屋競馬の総決算レース・
名古屋グランプリ(JpnII、名古屋ダート2500m)が12月23日に行われる。同じ「
グランプリ」がつく
JRAの
有馬記念と距離が同じだけでなく、「癖のあるコース」という点も一緒だ。舞台の
名古屋競馬場ダート2500mは4コーナーの引き込み線から馬場を2周、コーナーをなんと8回も周る。また、真っ白な砂はスピードが生き、前残りになることが多い。それゆえ、長距離戦ではあるが、序盤からの機動力や小回りをこなせる器用さも求められることになる。
JRAからは5頭が参戦。
ケイアイパープルはダート1700m〜1800mのオープン特別で2勝を挙げる。いずれも序盤から促されて先行・抜け出しというレースぶりを見る限り、揉まれずに前でレースを運びたいタイプだろう。7枠8番が当たり、しかも外には強力な先行馬が見当たらないとなれば、この馬にとってベストなレース展開になりそうだ。
大外11番の
ヴェルテックスは前走・
浦和記念で地方の小回りコースを経験。500kg超えの馬体で、トビが大きいタイプゆえ、本来は2走前の東京・
ブラジルC(3着)のような広いコース向きのように見受けられるが、それでも地力の高さで
浦和記念を3着。右回りの名古屋でも同様の走りができれば、楽しみだ。
ドスハーツは末脚が魅力的な馬。今年デビューの
小沢大仁騎手がデビュー日に1日2勝を挙げて話題となったが、その2勝目を挙げたのが
ドスハーツだった。今回、
JRA勢で前に行きたい馬が数頭いるため、ペースが流れれば前有利の名古屋でも差しが決まるだろう。また、
JRA騎手は最年長の
松山弘平騎手で31歳とフレッシュな顔ぶれが揃っており、ルーキー・小沢騎手を含めどんな騎乗を見せるのかにも注目だ。
ライトウォーリアや
ダンビュライトは気分良く走れれば、一発ある能力の持ち主。また、
JRAオープンから昨年、北海道に移籍した
ルールソヴァールは
道営記念(門別ダート2000m)で昨年2着、今年3着と、中距離への高い適性を見せ、
名古屋グランプリには早くから出走の意向を示していた。他に地方他地区からは今年の
六甲盃(園田ダート2400m) の勝ち馬・
トーセンブル(船橋)と同3着の
ホーリーブレイズ(大井)も参戦する。
筆者の本命は
ケイアイパープル、対抗
ヴェルテックス。大外の
ヴェルテックスの出方次第にもなるが、
ケイアイパープルは枠的に揉まれずに運べそう。2500mという未知の距離がどう出るかだが、小回りコースの分、コーナーで息も入れやすいだろう。▲
ドスハーツ、△
ダンビュライト、
ルールソヴァール、
トーセンブル。
名古屋競馬場は来春、弥富トレーニングセンターに移転することが決まっており、現在の地で
名古屋グランプリが行なわれるのは最後。距離も2100mに短縮されるため、ぜひ最後の2500m重賞を楽しんでいただきたい。
(文・大恵陽子)
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