V字回復を遂げ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの
高知競馬場で12月28日、2歳重賞・
金の鞍賞(ダート1400m)が行なわれる。売上や賞金増額、人気アップに伴い、高知に入厩する馬のレベルも飛躍的にアップしており、2歳馬にも同じことが言える。
今月15日には高知生え抜きで無敗の4連勝馬
マリンスカイが川崎のJpnI・
全日本2歳優駿に出走。交流重賞となって以降、高知勢では初めての参戦で、スタート直後の不利があり13着だったが、3コーナーでは見せ場を作った。
その
マリンスカイは
全日本2歳優駿から間隔が詰まっていることなどからここは回避。また、門別で
JRA認定レースを含む3勝を挙げ、移籍初戦の古馬混合C2を楽勝した
アンティキティラも
金の鞍賞に出走となれば上位人気が予想されたが、補欠2番手で出走が叶わず、同日10R「歳末特別」という古馬混合のC2選抜戦に編入された。
マリンスカイも
アンティキティラも不在となれば、
金の鞍賞は一気に混戦ムード。出走馬のローテーションは大きく2つに分けられ、10月31日の重賞・黒潮
ジュニアチャンピオンシップや11月27日の準重賞・土佐寒蘭特別(いずれも高知デビュー馬限定)を戦ってきた“重賞組”か、他場から移籍して一般・特別レースで力を蓄えてきた“移籍組”となる。
リュウノアンジェラは前者の“重賞組”。近走、
マリンスカイに序盤からついていき失速、敗戦というレースが続いているが、スピードの絶対値が抜けている
マリンスカイについていっては失速も致し方ないだろう。高知デビューから3連勝を飾った馬で、同世代では上位の力を持っていることは確か。
園田プリンセスカップ(10着)、黒潮
ジュニアチャンピオンシップ(2着)、土佐寒蘭特別(10着)と敗れながらも、重賞・準重賞の厳しい流れを経験していることがここで生きるはずだ。
マオノウイッシュも“重賞組”で、高知でデビューし、黒潮
ジュニアチャンピオンシップで3着、土佐寒蘭特別2着など上位争いを繰り広げてきた。しかし、末脚が身上なだけに、馬場や展開にも左右されそう。高知で直近にレースが行われた12月19日は不良馬場で、気温が上がらない冬季は馬場がなかなか乾かないことから
金の鞍賞当日も道悪が予想され、そうなれば前有利。どこまで展開が向くかだろう。
“移籍組”の
ファーストリッキーは
JRA未勝利から移籍後、高知で無敗の4連勝中。移籍初戦はスタート直後、逃げるかに思われたが、ペースが速くなると見るや2番手に控えて4コーナーで抜け出すというレースぶりで、操縦性の高さを見せた。これまでの走破タイムから重賞好走馬と甲乙つけがたい。
グットクレンジングも“移籍組”。門別で1勝を挙げたのち高知に移籍すると3戦2勝、2着1回。唯一負けた相手は先述の
ファーストリッキーで、これは相手が強すぎたと言わざるをえないだろう。
グットクレンジング自身も重賞で十分勝負できる力の持ち主だ。
一気に混戦模様を呈する
金の鞍賞だが、筆者の本命は
リュウノアンジェラ。
ファーストリッキーとどちらにするかかなり悩んだが、これまでの重賞経験が生きると見た。対抗に連勝中の
ファーストリッキー、▲
マオノウイッシュ、△
グットクレンジング、
サンコーチ。
金の鞍賞は12月28日高知6レース、18時15分発走予定。
(文・大恵陽子)
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