2日午前9時。栗東トレセンを離れ、北海道へと旅立つ
コントレイルを見送るため、矢作厩舎に福永が姿を現した。馬房から出てきた無敗3冠馬を優しいまなざしで見守り、赤い馬運車が視界から消えるまで、ずっとその場を動かなかった。
福永にとってかけがえのない、大切な存在との別れ。「ついに、きょうで終わりという感じはあるね。無事に送り出すことができて何より。いろいろ経験させてもらって、人としても成長できたと思う」と感謝の弁だ。
ラストランの
ジャパンCで有終V。引退式では想像以上のファンが残ってくれた。「みんなに受け入れられていたと分かった。うれしかった」。幸福感に包まれた、最高の形でのエンディング。思い残すことなく、相棒を見送ることができた。
また、苦楽をともにした担当の金羅助手は「ホッとしています。最後にこの馬らしい走りができて、本当に良かった。(福永)祐一さんも完璧に乗ってくれましたし、それに応えてくれた馬にも感謝です。20年の
ジャパンCから結果が出ていなかっただけに、余計にうれしかったです」と改めて喜びをかみしめる。「種牡馬として第二の生活が始まりますし、
コントレイルの産駒を担当したいですね」と、2世との再会を楽しみにしていた。
提供:デイリースポーツ