9日、
大井競馬場にて2020年NAR
グランプリ年度代表馬の
サブノジュニアの引退セレモニーが行われた。
サブノジュニアは
父サウスヴィグラス、
母サブノイナズマ、
その父カコイーシーズ。2014年3月15日、北海道新ひだか藤沢牧場で誕生し、大井・
堀千亜樹厩舎所属馬としてデビュー。17年3歳シーズン、4連勝後の17年
優駿スプリント(SII)で2着と好走したが、その後は短距離重賞で入着はあるも勝ち星にはなかなか恵まれなかった。しかし20年6歳シーズンは一変し、
東京スプリント(JpnIII)2着、オープン特別2連勝の後、
アフター5スター賞(SIII)で重賞初制覇を飾る。続く
東京盃(JpnII)5着後、
JBCスプリント(JpnI)では後方から直線力強く伸び、粘る
マテラスカイを差し切り、追い込む
ブルドッグボスを抑えて勝利した。この勝利により、2020年NAR
グランプリ年度代表馬に選定されている。
ラストランとなった当日メインレースの
ビオラ賞(3歳上・ダ1400m・1着賞金610万円)は1番人気で6着だった。通算成績は44戦12勝。
引退セレモニーでは、
JBCスプリントのゼッケン“6”を背に本場場に入場。関係者との記念撮影を行ったのち、
JBCスプリント優勝馬服に“着替え”て再度記念撮影。続いてウイナーズサークルに移動してファンに向けてその姿をお披露目し、拍手を浴びながら馬場を後にした。
引退後は、北海道浦河の
イーストスタッドで種牡馬入りする予定。
【
矢野貴之騎手】
「(ラストランの)レース前から普通の感情でいられなくなってました。僕自身、あまり馬に感情を持たないようにと思って騎手生活を送っていますが、さすがに最後となると寂しい気持ちでいっぱいです。
おとなしそうに見えて、細かいところで気性的にむつかしさがあって手を焼かせる馬だったなという印象です。勝ったJBCはもちろん思い出ですが、乗ったばかりの頃、先頭に立ったあとソラを使われて差し返されて。あの頃からこの馬には感情が入ったかなと思います。コンビを組ませてもらった2〜3年は、僕の心の支えです。
誰もが種牡馬になれるわけではないですし、この馬が頑張ってくれたおかげです。いつか子供に乗るチャンスがあれば嬉しく思います」
【
堀千亜樹調教師】
「最後はカッコよく勝って終わりたかったんですけど、折り合いを欠いて気難しいところが出てしまって。
ジュニアらしいといえば
ジュニアらしいんですけど、でも、無事に走ってくれたので良かったです。
JBCスプリントが一番の思い出になります。去年はそこにかけて、オーナーさんとも相談しながら、レースの組み立てから全部がうまくいきました。馬の成長も著しくて、夢のような時間が過ごせました。この馬には感謝です。厩舎を引っ張っていってくれました。
ジュニアの子供を見るのが楽しみですし、手がけられたらありがたいと思います。これから
ジュニアも第二の人生です。また応援よろしくお願いします」
(取材、撮影:高橋正和、編集:netkeiba.com)