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【地方競馬】大井生え抜きJpnI馬サブノジュニアが種牡馬入り 堀千亜樹調教師「本当に夢のような時間を過ごすことができました」

  • 2021年12月14日(火) 07時07分
 2020年のJBCスプリント(大井)を制した大井生え抜きJpnI馬サブノジュニア(大井・堀千亜樹厩舎<小林分厩舎>)が、現役を引退し、種牡馬入りすることになった。

 サブノジュニアは、2016年9月に大井競馬場からデビュー。初勝利を挙げるまでに5戦を要し、2歳離れをした雄大な雰囲気は当時から目を引いたが、気難しい面や2度の骨折もあり、出世は遅れた。

 短距離のダートグレード戦線で好走を続けながら、昨年6歳時にアフター5スター賞で重賞初制覇を飾ると、JBCスプリントでは強豪たちを一蹴し、大井生え抜き初となる快挙を達成。その年のNARグランプリでは、年度代表馬、4歳以上最優秀牡馬、最優秀短距離馬と3部門を獲得。

 12月9日に大井競馬場で実施したビオラ賞がラストランになり(6着)、引退セレモニーでは最後の雄姿を撮ろうと、ナイターレース後の遅い時間にもかかわらず多くのファンが集まり、別れを惜しんだ。今後は12月16日に慣れ親しんだ小林分厩舎から、種牡馬生活を送る北海道のイーストスタッドへ向かう予定だ。

 サブノジュニアの馬主は中川三郎様、生産が藤沢牧場様(新ひだか町)。母のサブノイナズマも祖母のサブノアフロディアも、半兄のサブノクロヒョウ(2017年東京記念馬、父ロージズインメイ)も、全て所有してきた中川様と生産してきた藤沢牧場様の思いが強く詰まっている一族で、アーモンドアイと同じ牝系。

 ロマン溢れるサブノジュニア。多くの人たちの夢と希望をのせ、サウスヴィグラス後継種牡馬としての新たな生活をスタートさせる。

堀調教師
「最後は勝って終わりたかったです。折り合いに欠いて気の難しいところが出てしまったのはジュニアらしいですが、無事に走ってくれて良かったです。去年の地元のJBCスプリントを勝てたことが一番の思い出で、オーナーさんと相談をして、レースの組み立てなど全部がうまくいって、馬の成長も著しく、本当に夢のような時間を過ごすことができました。

根本は賢くて、瞬発力、切れがすごいです。その力が子供たちにも受け継がれて欲しいです。毎朝厩舎でニンジンをあげるのが日課で、それが至福のひとときでもあったので寂しいですが、今度はイーストスタッドさんに会いに行きたいです。あちこちでジュニアの子供が見られることを楽しみに、その子供をまた手掛けられたら嬉しいです」

主戦の矢野貴之騎手
「大人しそうに見えて細かい所で気性的な難しさがあって、うまく乗れないことの方が多かったですが、直線で伸び出した時の重厚感は、速い戦車に乗っているような今まで感じたことのない走り方でした。これがGIを勝つ馬なんだなぁと。

 ジュニアに言いたいことは多すぎてまとめられませんが、まずはありがとうとお疲れ様でした。謝りたいのは、重賞を2つしか勝つことができなくて申し訳なかったです。寂しくてラストラン前から普通の感情にはなれなかったですが、無事に種牡馬生活に入っていけるのはうれしいですし会いにいきたいです。子供に乗るチャンスがあれば非常に嬉しいです」

サブノジュニア
7歳牡馬
馬主:中川三郎様
生産:藤沢牧場様(新ひだか町)
父:サウスヴィグラス母:サブノイナズマ母父:カコイーシーズ
44戦12勝2着10回3着5回(JBCスプリントアフター5スター賞)

(取材・文:高橋華代子)

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