「朝日杯FS・G1」(19日、阪神)
3番人気の
ドウデュースが直線のたたき合いを制し、無傷3連勝で2歳マイル王の座を射止めた。鞍上の
武豊騎手(52)=栗東・フリー=は22回目の挑戦で初めて当レースを勝利し、前人未到のJRA平地G1完全制覇にリーチをかけた。2着は1番人気の
セリフォス、3着には4番人気
ダノンスコーピオンが続いた。
師走の仁川にこだまする万雷の拍手が、最後の最後に名手の背中を押した。内で抵抗する
セリフォスとの競り合いを制し、
ドウデュースが無傷3連勝で2歳マイル王の座へ。相棒の背中で
武豊は、右ステッキを小さく振ってファンに応えた。
「道中のリズムも良かったし、いいポジションに収まって、手応え良く直線に向けた。さすがに相手も強くて、なかなかしぶとかったけど、最後まで一生懸命走ってくれましたね。拍手がすごくうれしかったし、G1が久しぶりなので」。日本競馬の顔は、さわやかな笑顔でスタンドの拍手にもう一度応えた。
友道師は「きょうはマイルでしたが、距離はもう少し持つと思う。まずは
皐月賞を目指して、直行か1回使うか。ジョッキーと相談して決めていこうと思います」と今後を見据えた。22年は
武豊とともに、この馬がクラシックの主役を演じることになるはずだ。
鞍上にとって19年
菊花賞(
ワールドプレミア)以来、久々のG1表彰台。しかし、この1勝はそれ以上に大きな意味を持つ。「ついに。うれしいですね。なかなか勝てなくて、このレースが近づいてくると、勝ちたいなあと。今年はいい馬で出られるのでチャンスだと思っていました」。キャリア35年。これがJRA・G1・78勝目となるレジェンドに立ちはだかった大きな壁を、22回目のチャレンジでついに乗り越えた。
JRA平地G1完全制覇へ、残すは
ホープフルSのみ。「来週そのレースがあるので、リーチ一発で決めたいですね。JRAがまた新しく(G1を)つくる前に、1回はコンプリートしておきたいから」。
有馬記念の2日後、大団円が待っている。
提供:デイリースポーツ