2021年の新馬戦も残すところ、あと3日の開催。年が明けると当コラムも休止になるので、今回は年明けデビューになりそうな話題の馬をここで取り上げておきたい。
半兄に
菊花賞、
天皇賞(春)でGIを2勝している
ワールドプレミア(
父ディープインパクト)がいる
ロードカナロア産駒の
ショショローザ(栗東・
友道康夫厩舎)。当初は年内のデビューも視野に入っていたが、1月8日の中京芝1600mに目標を切り替えて調整されている。
同じ友道厩舎で全兄に
宝塚記念、
天皇賞(秋)を勝った
ラブリーデイ(
父キングカメハメハ)がいる
モーダルジャズは、1月9日の中京芝2000mでのデビューに向けて、調整を進めていく予定となっている。
【12月25日(土) 阪神芝1800m】
◆
イヴィステラ(牝、
父ハーツクライ、
母ハルーワスウィート、栗東・
友道康夫厩舎)
全兄に2017年
ジャパンCを勝った
シュヴァルグラン、半姉にヴィクトリアMを連覇した
ヴィルシーナ(
父ディープインパクト)、2016年
秋華賞を勝った
ヴィブロス(
父ディープインパクト)。きょうだいはすべて
友道康夫厩舎で管理されているという、まさに厩舎ゆかりの血統。
本馬は9月10日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩し、ゲート試験に合格した後、一旦放牧へ。11月末から栗東での乗り込みを再開し、1週前追い切りはレースで騎乗予定のC.デムーロ騎手が跨っての3頭併せ。前半はゆったりしたペースだったが、最後は鋭く伸びて、自動計測では1F10.9秒。追うごとに動きが良くなっており、今後の伸びしろを残しつつも、ある程度動ける状態には仕上がっている。
◆
ノットゥルノ(牡、
父ハーツクライ、
母シェイクズセレナーデ、栗東・
音無秀孝厩舎)
半姉に芝で4勝を挙げている
ショウナンバビアナ(
父ディープインパクト)がおり、2020年セレクトセール1歳にて、4300万円で落札されている。
本馬は12月9日の坂路では4F51.1秒をマークして、古馬2勝Cを追走する併せ馬では先着する脚力を披露。そして、12月15日の1週前追い切りではCWで
有馬記念に出走予定の
アリストテレス相手に先行。ゴール前での手応えはこちらが優勢なくらいで、動きとしては文句なし。時計も自動計測で6F83.2秒、1F11.5秒。坂路でもCWでも新馬として水準以上の動きを見せている。鞍上は
武豊騎手が予定されている。
【12月25日(土) 阪神ダート1400m】
◆
ペプチドアケボシ(牡、父
イスラボニータ、
母ペプチドヴィーナス、栗東・
木原一良厩舎)
半兄に同厩舎で管理され、阪神ダート1200mの新馬戦を勝ち、現在は2勝クラスで連続2着の
ペプチドサンライズ(父
ディープブリランテ)がいる。
本馬は12月8日のCWでの併せ馬で追走先着。ただ、相手が新馬だったことや6F84.7秒という時計から水準くらいの動きだと思っていたが、驚いたのが、12月15日のCW。相手は同じで、追走するのも同じだったが、3コーナーから大外を回りながら前を捕まえに行く。ここで脚を使ったら、最後はしんどいんじゃないかと思ったが、最後も楽々と先着。6F81.5秒と全体時計が速い上、ラストは11.7秒。この動きなら兄同様、新馬勝ちを期待したいところ。
◆
クレバーテースト(牡、父
オルフェーヴル、
母クレバースプリント、栗東・
武幸四郎厩舎)
半兄に芝で6勝を挙げている
インビジブルレイズ(
父ハーツクライ)、母系には芝で5勝を挙げた
ウインフルブルーム(
父スペシャルウィーク)がいる血統。
本馬は11月12日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。12月3日にゲート試験を合格すると、そのまま在厩して調整。12月16日の1週前追い切りでは、レースで騎乗予定の
吉田隼人騎手が跨って、CW6F82.9秒をマーク。ラスト1Fも11.8秒としっかり。追い切り本数自体は決して多くないが、やるたびにきっちりと上昇している、そんな印象を受ける。
(取材・文:井内利彰)