スマートフォン版へ

安藤勝「スカーレットだからできた」 ダイワスカーレットの37年ぶり偉業

デイリースポーツ
  • 2021年12月23日(木) 12時07分
 目下2年連続で牝馬が頂点に立っている暮れのグランプリ。当連載では過去に有馬を制した牝馬にスポットを当てた。第3回は08年のダイワスカーレットを振り返る。

  ◇  ◇

 実に37年ぶり。有馬記念における牝馬敗北の歴史を打ち破ったのは2008年、安藤勝が騎乗したダイワスカーレットだった。

 牝馬隆盛の近年とは違い、圧倒的に牡馬が優勢だった時代。「牡馬、牝馬の差が縮まったとは思っていなかった。スカーレットだからできたこと」。レース後の安藤勝のこの言葉が、当時の牡・牝のパワーバランスを明確に物語っていた。

 3歳で挑んだ前年は、マツリダゴッホの2着。ただ、馬場の悪化を計算して外に持ち出したところを、内からすくわれた形で、決して力負けとは思っていなかった。「スカーレットの力が上」。そう信じて騎乗したこの年。選んだ戦法は逃げ。掛かる可能性はあったが、迷いなく先手を奪い、堂々と進めた。

 “地方出身のジョッキーは早めに動くことが身に染み込んでいるから、中山の坂は難しい”

 笠松競馬出身の安藤勝は現役時代、中山の急坂に苦しんだ。だが、自分の短所もこのパートナーなら補ってくれる。そんな気持ちもあったのだろう。堂々逃げ切りを決めると、普段はガッツポーズをしない鞍上の右手が自然と上がった。

 その後は海外遠征を描き、ドバイワールドCを目標にしたが、浅屈腱炎を発症。志半ばでターフを去った。無念だった早期引退。それでも、牝馬として37年ぶりのグランプリ制覇という偉業は、ファンの心に残り、これからも語り継がれる。

提供:デイリースポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す