年末の風物詩となっている
グランプリレース。2021年の
有馬記念が26日の15時25分に発走する。今年はファン投票1・2位に支持された
エフフォーリアと
クロノジェネシスのほか、GI馬6頭が参戦。それ以外にもGI好走馬、重賞勝ち馬が多数揃う注目の一戦となった。ここでは、ポジション・展開・馬の特性の3項目で発生するバイアス(偏り)に焦点をあてた予想理論「トリプルバイアス」を駆使する人気予想家・前田一太氏の展望をお届けする。
◆今年は内枠有利なのか
例年、内枠有利になりがちな
有馬記念。しかし昨年は外枠発走馬が馬券圏内を独占。今年は内枠有利になるか否かを悩む方も一定数いるのでは。
そこで抑えておきたいポイントをご紹介。それは、そもそも昨年12月の中山芝は外枠有利の傾向が続いていたということ。
以下の数値は、昨年12月中山での枠番別成績(※ただし枠番がレースに与える影響の少ない少頭数レースは除外)です。
※20年12月中山芝の枠番別成績(14頭立て以上)
枠番 着順別 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 4-5-1-49/59 6.8% 15.3% 16.9% 49 45
2枠 1-5-7-52/65 1.5% 9.2% 20.0% 4 47
3枠 0-3-2-61/66 0.0% 4.5% 7.6% 0 23
4枠 6-3-5-52/66 9.1% 13.6% 21.2% 93 115
5枠 3-3-3-57/66 4.5% 9.1% 13.6% 27 49
6枠 6-4-8-48/66 9.1% 15.2% 27.3% 100 74
7枠 7-8-5-51/71 9.9% 21.1% 28.2% 162 98
8枠 6-2-2-61/71 8.5% 11.3% 14.1% 230 81
内枠に比べて外枠の成績が良かったのは一目瞭然。例年は内枠有利の
有馬記念でも、ベースがこれでは外枠決着に終わったのも納得できます。
そして今年はどうか。
以下の数値は、21年12月中山での枠番別成績(※ただし枠番がレースに与える影響の少ない少頭数レースは除外)です。
※21年12月中山芝の枠番別成績(14頭立て以上)※12月21日時点
1枠 6-3-6-19/34 17.6% 26.5% 44.1% 215 216
2枠 5-3-0-29/37 13.5% 21.6% 21.6% 101 61
3枠 2-5-2-29/38 5.3% 18.4% 23.7% 49 39
4枠 0-2-0-36/38 0.0% 5.3% 5.3% 0 55
5枠 3-2-2-31/38 7.9% 13.2% 18.4% 99 79
6枠 3-2-2-31/38 7.9% 13.2% 18.4% 33 114
7枠 0-1-5-33/39 0.0% 2.6% 15.4% 0 130
8枠 0-1-2-37/40 0.0% 2.5% 7.5% 0 30
連対馬の数を確認すると、1-2枠は17頭存在するのに対し、7-8枠は2頭のみ。昨年とは打って変わって内枠発走馬が頑張っています。これならば今年は例年通りの内枠有利を想定できそうです。
※ただし1点だけ注意したいのは天気予報。この記事を書いている火曜日時点では微妙な予報。もし雨が降って馬場の内が荒れた場合、いきなり外枠有利に変わってしまう可能性は考慮する必要がありそうです。
◇状態の上がってきた大穴候補
事前の予想オッズでは大穴想定の
モズベッロ。普段はあまり坂路で動かないタイプではありますが、だからこそ好調教時には注目したいタイプ。
実際、過去に栗東坂路にて52.5秒以下を中間に1度でも叩き出した際は、
19.7.20 1勝クラス 1着(0.6差の圧勝)
19.11.23 2勝クラス 1着(0.5差の圧勝)
21.4.4
大阪杯 2着(強敵相手に穴を空ける)
という結果。
そして今回は1週前に栗東坂路で51.2をマーク。大一番に向けて状態は上がっています。大穴を空けても驚けないでしょう。
あとはいつも通り馬場状態・枠番・オッズをチェックして、最終結論を出したいと思います。
(文=前田一太)