年末の風物詩となっている
グランプリレース。2021年の
有馬記念が26日の15時25分に発走する。今年はファン投票1・2位に支持された
エフフォーリアと
クロノジェネシスのほか、GI馬6頭が参戦。それ以外にもGI好走馬、重賞勝ち馬が多数揃う注目の一戦となった。ここでは、「スポニチが誇る万馬券メーカー」小田哲也氏に展開・ラップ面を中心に展望を伺った。
◆妙味のある4歳世代
今年無視できないのは「流れ」。逃げ宣言
パンサラッサの「Hペース逃げ」と決めつけるのは危険かもしれないが5F57秒3の
福島記念から多少落としたとしても、5F58秒台? ただ
福島記念の勝ち時計(1分59秒2)と
天皇賞・秋(1分57秒9=
エフフォーリア)を比べても力の開きはあり、
菊花賞を逃げ切った
タイトルホルダーが早めに抜き去る戦略か。
その
菊花賞は
ビュンビュン飛ばした印象もあるが、実は中盤1200〜1800mは12秒8〜14秒3〜13秒1。絶妙ペースに落とした
横山武史騎手の好騎乗が貯金になった。残り4Fから11秒7〜11秒5〜11秒4〜12秒2のロングスパート。
引退戦の
キセキの動きは確かに微妙だが、想定展開は
パンサラッサの大逃げ。離れた2番手の
タイトルホルダーはできるだけ温存。残り1200m付近から猛スパートで、最終3コーナー先頭? 全体的に速い流れからの消耗戦。人気の
エフフォーリア、
クロノジェネシスもタイトルを射程圏に動く流れか。
エフフォーリア自身は消耗戦=持続力勝負に強いとみているが、過去S〜Mペース経験のみが唯一の懸念。人気を背負ったゆえ、出入りの激しい展開で、最後に
ダイユウサクに差された91年
メジロマックイーン(2着)のようなパターンはほんの少し危惧している。
もう1点、昨年の
有馬記念とは芝状況が違うのは注意したい。昨年は全体的に芝が傷んでいて、時計が掛かり、差し&追い上げが利いた。このまま好天なら内&前の粘りが利き、前が飛ばすといっても後方勢は挽回不可能の恐れも。昨年(2分35秒0)より確実に時計は出る。
クロノジェネシスは
凱旋門賞の疲れの懸念が残る上、昨年のような多少時計が掛かる芝の方が安心感はあった。
2強以外では? 高評価されることが少ない「4歳勢」が妙味。特に今春の天皇賞好走馬。2着
ディープボンド、4着
アリストテレスは展開次第では位置も取れて、自在に動ける点で侮れない。今春天皇賞は1400mまで11秒台を5回記録する消耗戦。3000m通過ラップは「3分1秒7」。
タイトルホルダーの
菊花賞優勝時計「3分4秒6」と比べても速い。ディープは遠征疲れ、
アリストテレスは
ジャパンCの不慣れな逃げ失速が懸念されているが、道中流れる展開なら、
ノーマークとはいかないのでは?
(文=小田哲也)