中山大障害は4100mの距離に大竹柵(高さ1.6m・幅2.05m)や大いけ垣(高さ1.6m・幅2.4m)といった大障害含む11の障害と、高低差の異なる3種類のバンケットを6回越えなければならない難コース。障害のセンスはもちろんだが、長い距離を走りぬくスタミナと、そして旺盛な競走意欲が試されるレースだ。
◎
ラヴアンドポップは、約1年4か月ぶりの実戦となった
東京ハイジャンプの優勝馬。障害未勝利戦を勝ち上がった直後に
阪神ジャンプS2着があるくらいだから、転向当初から障害馬としての資質は相当なものが認められたが、以降は2度に及ぶ1年以上の休養を余儀なくされるなど、順調さを欠いてしまった。中山コースは今回が初めてで、いきなり大障害コースという部分でやや不安は残るものの、障害に対するセンスの高さに期待したい。
◯
タガノエスプレッソは昨年の本レース、そして春のグランドジャンプともに3着で、前走の
京都ジャンプSは2着。以前はスピード任せのレースが多かったが、キャリアを積んで距離に対する不安を払拭してきた。平地の重賞勝ち馬が7歳春にハードル界へと舵を切り、今回が12戦目。4着以下がわずかに2回という堅実性も高く評価したい。
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オジュウチョウサンは2016〜18年
JRA賞最優秀障害馬。
中山大障害2勝、
中山グランドジャンプ5勝。勝利数に差があるのは大障害が苦手というわけではなく、12月は平地競走に向かうことが多かったから。長くハードル界を支えてきた歴史的ジャンパーも年が明ければ11歳。脚部不安に悩まされることも多くなり、昨年春のグランドジャンプを最後に勝利から遠ざかってしまった。全盛期のようなレースを望むのは酷な話だが、骨折明けの前走も4角で見せ場を作り、ゴール前まで優勝争いに加わった。絶対王者に同斤なら、という表現は失礼な話だがまだ見限れない存在だ。
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レオビヨンドはイルミネーションジャンプの優勝馬。ゲートは五分に出るものの、とくにレース序盤は障害で置かれてしまうことが多く、思うような位置で競馬ができないことが多い。それが良い意味でのズブさにつながっているようで、最後は豪快に脚を伸ばしてくる。今回は、いきなりの相手強化となるが、人気上位馬がそれぞれ不安を抱えているだけに一気の世代交代もあり得るかもしれない。
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アサクサゲンキの前走は人気を背負っていた分、自分から動かなければならない面もあってやや気の毒だった。着順から受ける印象ほど力の差はない印象だ。