「
有馬記念・G1」(26日、中山)
絶妙なタイミングで抜け出した
エフフォーリアが1番人気に応えて快勝。新たな
ビッグタイトルを手にした。
鹿戸雄一調教師(59)=美浦=は暮れの
グランプリ初勝利。今後は現役最強の座を誇示したG1・3勝馬とともに、さらなる強敵との戦いに挑んでいく。
静かな口調で鹿戸師は喜びをかみしめながら、改めて歴代最多得票数の26万742票に感謝した。「(ファン投票で)1位にしてもらい、なおかつ結果を出すことができてうれしく思います。応援してくれたファンの皆さんのおかげです」。最高の形で締めくくることができた。
鼻差で敗れたダービーの悔しさが、大きな糧となった。「騎手の比じゃないが、自分自身もかなりショックだった。だけど、あれがあったから、ジョッキーも自分も(精神的に)強くなれたのかな」と、これまで唯一の敗戦を振り返る。秋は
菊花賞へは向かわず、古馬との対戦を選択。
天皇賞・秋で
コントレイル、
グランアレグリアなど並み居る強豪を撃破すると、今年最後の決戦も堂々たる走りだった。「すごく強かった。改めて、そう思います」と誇らしげに胸を張った。
パドックでは「(横山)武史が一番うまいから、信じて乗ってこい」と言って鞍上を送り出し、期待に応えてくれた。愛馬には「レースごとに強くなっている。内容も良くなっているし、これからまだまだ楽しみで仕方ない」とさらなる期待を込めた。
前日の阪神Cで僚馬の
ベストアクターが競走中止。右第1指関節脱臼で予後不良となり、この世を去った。自身のツイッターで悲しみをつづっていたが、「競馬だから、切り替えて挑めた」と気持ちを押し殺して挑んだ一戦でもあった。
今後について明言は避けたものの、「将来的には海外も挑戦してみたいけど、まずは(関係者)みんなで相談して目標を立てたレースへ向かっていきたい」と決意を新たにした。数多くのスターホースが引退し、間もなくやってくる令和4年。名実ともに“
エフフォーリアの時代”にすべく、厩舎一丸となって進んで行く。
提供:デイリースポーツ