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中央競馬10大ニュース 1位は「日本調教馬初となるブリーダーズカップ制覇 矢作厩舎2勝の歴史的快挙」

東京スポーツ
  • 2021年12月31日(金) 18時00分
【第1位】日本調教馬初となるブリーダーズカップ制覇 矢作厩舎2勝の歴史的快挙

 11月6日(現地時間)、日本競馬史に新たな1ページが刻まれた。今年はカリフォルニアデルマー競馬場で行われた米国競馬の祭典ブリーダーズカップ。まずはフィリー&メアターフ(芝2200メートル)で川田騎手と挑んだラヴズオンリーユーが接戦を制し、日本馬として初となるブリーダーズカップ制覇を成し遂げた。

 快挙の余韻が残るなか、これでは終わらなかった。オイシン・マーフィーとコンビを組んだマルシュロレーヌがディスタフ(ダート1800メートル)で地元ではまったくの人気薄ながらハナ差の激闘V。ダートの本場米国のG1を、しかも日本国内でGI未勝利の馬が制した大番狂わせは世界中に衝撃を与えた。管理する矢作厩舎は2勝を挙げ、名実ともに"世界のYAHAGI"を印象付けた。

【第2位】歴史的名馬の引退が続くも有終Vが話題に
 
 秋シーズンは競馬界に名を残した名馬たちが続々と引退。寂しさが残る一方で、引退レースを勝利で飾る"有終V"ラッシュとなった。

 まずは短距離〜マイル路線を席巻したグランアレグリア(牝5・藤沢和)がラストランとなったマイルCSを勝利し、GI6勝目を手にして繁殖入り。翌週のジャパンCではディープインパクト以来となる無敗の3冠を達成したコントレイル(牡4・矢作)が優勝。「コントレイルは強いんです」と苦楽を共にした福永騎手の涙が感動を呼んだ。

 BCフィリー&メアターフ制覇から香港へ再び遠征したラヴズオンリーユーは、香港カップを制して海外GI連勝締め。今年はドバイ遠征から始まり、4月には香港クイーンエリザベス2世カップを制覇。JRA史上初となる同一年における海外G1・3勝の大記録を手に花嫁入りした。

 これらの産駒がデビューするのは早くて3年後。父として、また母として新たな時代を紡いでいく。

【第3位】女性騎手2人がデビュー JRAでは藤田菜七子以来5年ぶり

 今年3月、16年にデビューした藤田菜七子以来となる女性騎手が2人誕生した。菜七子が切り開いた女性ジョッキーの道に続けとばかりにデビューしたのは古川奈穂(栗東・矢作)と永島まなみ(栗東・高橋康)。ともにデビューから12戦目で初勝利を挙げると、古川は4週連続Vを決めるなど競馬界を盛り上げた。

 4月10日の新潟競馬では菜七子を含めた女性騎手3人が揃って同じレースに参戦。翌週の17日には古川が勝利して菜七子→永島の順で入線。JRAでは史上初となる女性騎手によるワンツースリーとなった。

【第4位】蛯名正義騎手が引退→調教師へ転身 来年3月に厩舎を開業

 武豊騎手と同期の名ジョッキー・蛯名正義が今年2月いっぱいで34年間の騎手生活にピリオドを打った。

 最終騎乗となった2月28日の中山競馬では2勝をマーク。キッチリとジョッキーとしての仕事を終えてファンに別れを告げた。

 1987年3月に騎手デビュー。通算2541勝をマークし、96年天皇賞・秋バブルガムフェロー、01年菊花賞マンハッタンカフェなどJRA・GIは26勝。エルコンドルパサーで挑んだ99年凱旋門賞ではモンジューに半馬身差の2着。凱旋門賞勝利への距離を一気に近づけた。20年12月に調教師試験に合格し、2022年3月から厩舎を開業する。

【第5位】横山武史が大ブレーク 自身初の年間100勝超え&GI5勝

 デビュー5年目、関東若手のホープ・横山武史が大ブレークを果たした。エフフォーリアとのコンビで皐月賞天皇賞・秋、そして有馬記念を制すると、その2日後にはキラーアビリティホープフルSを優勝。タイトルホルダーで挑んだ菊花賞は、父である横山典弘セイウンスカイ(98年菊花賞)を思い起こさせる変幻自在の逃げ切りで同馬クラシックホースへと導いた。

 勝ち鞍も飛躍的に伸ばして12月19日には自身初となる年間100勝に到達。22歳11か月28日での達成は、武豊に次ぐ史上2位の記録だった。さらに同28日の最終レースも制し、JRA通算300勝を達成。今年は104勝をマークし、堂々の関東リーディング首位の座に就いた。

【第6位】武豊が22度目の挑戦で朝日杯FSをついに勝利 JRA・GI完全制覇へ残るはホープフルS

 記憶と記録に残る勝利を樹立し続けている競馬界のレジェンド武豊。そんな名手をもっても勝てなかったGIが朝日杯FSだった。"競馬界の七不思議"とも言われ続けてきたが、今年ついに勝利へと解き放たれた。

 松島正昭氏が代表を務めるキーファーズが所有する2戦2勝ドウデュースで挑んだ朝日杯FS。先に抜け出した1番人気のセリフォスを絶妙な手綱さばきで差し切り勝ち。実に22度目の挑戦だった。「リーチ一発で決めたい」(武豊)と挑んだ今年のホープフルSは10着に敗れたが、同レースは有馬記念の後に行われる締めのGI。ファンにとってはまた一つ、年末の楽しみが増えることになった。

【第7位】競馬界もコロナの影響続く 徐々に規制緩和の動きも

 競馬界においても新型コロナウイルスの影響が今年も続いた。競馬場における入場人員の制限やウインズでの発売時間の短縮、トレセンや競馬場では取材制限などが行われ、競馬開催の継続のために徹底した感染対策を実施。9月にJRAジョッキーの感染が明らかになったが適切な措置を講じ、1年間のレースを終えた。

 一方でダービーは2年ぶりの有観客で行われるなど、入場人員の拡大など規制緩和も徐々に進んでいる。2022年1月からは「入場券ネット予約」により各競馬場で立ち見や自由席を利用してのレース観戦が可能となる(社会情勢により変更となる場合がある)。

【第8位】福島県沖地震の被害 春の福島開催が中止→新潟で代替開催

 2月13日夜、福島県沖を震源とした地震が発生。福島競馬場はスタンドなどに大きな被害が生じたため、4月10日から予定していた春の福島開催を断念し、新潟で代替開催されることが3月に発表された。

 7月3日から夏開催は行われたが、観客席が完全に復旧せず安全性を考慮して無観客開催となった(秋開催から有観客となった)。

【第9位】東京スポーツ杯2歳ステークスがGIIに昇格 文字通りのクラシック登竜門へ

 クラシックに向けて毎年、ハイレベルなレースを繰り広げてきた東スポ杯2歳Sが、今年からGIIに昇格した。

 近年でも17年ワグネリアン、19年コントレイルとダービー馬をはじめ、クラシックに限らず多くのGI馬を送り出してきた。翌春のクラシックを目指す好メンバーが集結する注目度の高いレースであることが認められ、日本グレード格付け管理委員会の審査を経て今年1月に昇格が正式決定した。

 11月20日に行われた"GII第1回"東スポ杯2歳Sイクイノックスが圧勝。初代王者としてどんな走りを見せるか、来春は目が離せない。

【第10位】名馬の死が相次ぐ クロフネジャングルポケットドゥラメンテ
 
 今年は一時代を彩った名馬たちの死が続いた。

 桜花賞を制した白毛馬ソダシの父でもあるクロフネが1月に老衰のため死亡。2月にはアメリカンオークスを制し、母としてもGI馬を送り出したシーザリオ、3月には01年のダービー馬ジャングルポケット、03年のダービー馬ネオユニヴァースがこの世を去った。

 さらに8月には15年のダービー馬ドゥラメンテ、12月には二刀流の元祖で名高いアグネスデジタルの訃報が届いた。


<番外編>
 東西トレセンでコロナ持続化給付金不正受給疑惑

 美浦・栗東のウッドコースで自動計測スタート

 武豊 4300勝達成

 熊沢重文 障害最多勝記録となる255勝目
 
 香港国際競走で4頭落馬のアクシデント 福永、ピクシーナイトともに骨折
 
 すぎやまこういち氏死去 GIレース入場曲「グレード・エクウス・マーチ」など作曲

 ラフィアン総帥・岡田繁幸氏が3月に死去

東京スポーツ

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