【第1位】日本調教馬初となるブ
リーダーズカップ制覇 矢作厩舎2勝の歴史的快挙
11月6日(現地時間)、日本競馬史に新たな1ページが刻まれた。今年は
カリフォルニア州
デルマー競馬場で行われた米国競馬の祭典ブ
リーダーズカップ。まずはフィリー&メアターフ(芝2200メートル)で川田騎手と挑んだ
ラヴズオンリーユーが接戦を制し、日本馬として初となるブ
リーダーズカップ制覇を成し遂げた。
快挙の余韻が残るなか、これでは終わらなかった。オイシン・マーフィーとコンビを組んだ
マルシュロレーヌがディスタフ(ダート1800メートル)で地元ではまったくの人気薄ながらハナ差の激闘V。ダートの本場米国のG1を、しかも日本国内でGI未勝利の馬が制した大番狂わせは世界中に衝撃を与えた。管理する矢作厩舎は2勝を挙げ、名実ともに"世界のYAHAGI"を印象付けた。
【第2位】歴史的名馬の引退が続くも有終Vが話題に
秋シーズンは競馬界に名を残した名馬たちが続々と引退。寂しさが残る一方で、引退レースを勝利で飾る"有終V"ラッシュとなった。
まずは短距離〜マイル路線を席巻した
グランアレグリア(牝5・藤沢和)がラストランとなった
マイルCSを勝利し、GI6勝目を手にして繁殖入り。翌週の
ジャパンCでは
ディープインパクト以来となる無敗の3冠を達成した
コントレイル(牡4・矢作)が優勝。「
コントレイルは強いんです」と苦楽を共にした福永騎手の涙が感動を呼んだ。
BCフィリー&メアターフ制覇から香港へ再び遠征した
ラヴズオンリーユーは、
香港カップを制して海外GI連勝締め。今年はドバイ遠征から始まり、4月には香港
クイーンエリザベス2世カップを制覇。
JRA史上初となる同一年における海外G1・3勝の大記録を手に花嫁入りした。
これらの産駒がデビューするのは早くて3年後。父として、また母として新たな時代を紡いでいく。
【第3位】女性騎手2人がデビュー
JRAでは藤田菜七子以来5年ぶり
今年3月、16年にデビューした藤田菜七子以来となる女性騎手が2人誕生した。菜七子が切り開いた女性ジョッキーの道に続けとばかりにデビューしたのは
古川奈穂(栗東・矢作)と
永島まなみ(栗東・高橋康)。ともにデビューから12戦目で初勝利を挙げると、古川は4週連続Vを決めるなど競馬界を盛り上げた。
4月10日の新潟競馬では菜七子を含めた女性騎手3人が揃って同じレースに参戦。翌週の17日には古川が勝利して菜七子→永島の順で入線。
JRAでは史上初となる女性騎手によるワン
ツースリーとなった。
【第4位】
蛯名正義騎手が引退→調教師へ転身 来年3月に厩舎を開業
武豊騎手と同期の名ジョッキー・
蛯名正義が今年2月いっぱいで34年間の騎手生活にピリオドを打った。
最終騎乗となった2月28日の中山競馬では2勝をマーク。キッチリとジョッキーとしての仕事を終えてファンに別れを告げた。
1987年3月に騎手デビュー。通算2541勝をマークし、96年
天皇賞・秋=
バブルガムフェロー、01年
菊花賞=
マンハッタンカフェなど
JRA・GIは26勝。
エルコンドルパサーで挑んだ99年
凱旋門賞では
モンジューに半馬身差の2着。
凱旋門賞勝利への距離を一気に近づけた。20年12月に調教師試験に合格し、2022年3月から厩舎を開業する。
【第5位】
横山武史が大ブレーク 自身初の年間100勝超え&GI5勝
デビュー5年目、関東若手のホープ・
横山武史が大ブレークを果たした。
エフフォーリアとのコンビで
皐月賞、
天皇賞・秋、そして
有馬記念を制すると、その2日後には
キラーアビリティで
ホープフルSを優勝。
タイトルホルダーで挑んだ
菊花賞は、父である
横山典弘の
セイウンスカイ(98年
菊花賞)を思い起こさせる変幻自在の逃げ切りで同馬クラシックホースへと導いた。
勝ち鞍も飛躍的に伸ばして12月19日には自身初となる年間100勝に到達。22歳11か月28日での達成は、
武豊に次ぐ史上2位の記録だった。さらに同28日の最終レースも制し、
JRA通算300勝を達成。今年は104勝をマークし、堂々の関東リーディング首位の座に就いた。
【第6位】
武豊が22度目の挑戦で
朝日杯FSをついに勝利
JRA・GI完全制覇へ残るは
ホープフルS 記憶と記録に残る勝利を樹立し続けている競馬界のレジェンド
武豊。そんな名手をもっても勝てなかったGIが
朝日杯FSだった。"競馬界の七不思議"とも言われ続けてきたが、今年ついに勝利へと解き放たれた。
松島正昭氏が代表を務めるキー
ファーズが所有する2戦2勝
ドウデュースで挑んだ
朝日杯FS。先に抜け出した1番人気の
セリフォスを絶妙な手綱さばきで差し切り勝ち。実に22度目の挑戦だった。「リーチ一発で決めたい」(
武豊)と挑んだ今年の
ホープフルSは10着に敗れたが、同レースは
有馬記念の後に行われる締めのGI。ファンにとってはまた一つ、年末の楽しみが増えることになった。
【第7位】競馬界もコ
ロナの影響続く 徐々に規制緩和の動きも
競馬界においても新型コ
ロナウイルスの影響が今年も続いた。競馬場における入場人員の制限やウインズでの発売時間の短縮、トレセンや競馬場では取材制限などが行われ、競馬開催の継続のために徹底した感染対策を実施。9月に
JRAジョッキーの感染が明らかになったが適切な措置を講じ、1年間のレースを終えた。
一方でダービーは2年ぶりの有観客で行われるなど、入場人員の拡大など規制緩和も徐々に進んでいる。2022年1月からは「入場券ネット予約」により各競馬場で立ち見や自由席を利用してのレース観戦が可能となる(社会情勢により変更となる場合がある)。
【第8位】福島県沖地震の被害 春の福島開催が中止→新潟で代替開催
2月13日夜、福島県沖を震源とした地震が発生。福島競馬場はスタンドなどに大きな被害が生じたため、4月10日から予定していた春の福島開催を断念し、新潟で代替開催されることが3月に発表された。
7月3日から夏開催は行われたが、観客席が完全に復旧せず安全性を考慮して無観客開催となった(秋開催から有観客となった)。
【第9位】
東京スポーツ杯2歳ステークスがGIIに昇格 文字通りのクラシック登竜門へ
クラシックに向けて毎年、ハイレベルなレースを繰り広げてきた
東スポ杯2歳Sが、今年からGIIに昇格した。
近年でも17年
ワグネリアン、19年
コントレイルとダービー馬をはじめ、クラシックに限らず多くのGI馬を送り出してきた。翌春のクラシックを目指す好メンバーが集結する注目度の高いレースであることが認められ、日本
グレード格付け管理委員会の審査を経て今年1月に昇格が正式決定した。
11月20日に行われた"GII第1回"
東スポ杯2歳Sは
イクイノックスが圧勝。初代王者としてどんな走りを見せるか、来春は目が離せない。
【第10位】名馬の死が相次ぐ
クロフネ、
ジャングルポケット、
ドゥラメンテ 今年は一時代を彩った名馬たちの死が続いた。
桜花賞を制した白毛馬
ソダシの父でもある
クロフネが1月に老衰のため死亡。2月にはアメリカン
オークスを制し、母としてもGI馬を送り出した
シーザリオ、3月には01年のダービー馬
ジャングルポケット、03年のダービー馬
ネオユニヴァースがこの世を去った。
さらに8月には15年のダービー馬
ドゥラメンテ、12月には二刀流の元祖で名高い
アグネスデジタルの訃報が届いた。
<番外編>
東西トレセンでコ
ロナ持続化給付金不正受給疑惑
美浦・栗東のウッドコースで自動計測スタート
武豊 4300勝達成
熊沢重文 障害最多勝記録となる255勝目
香港国際競走で4頭落馬のアク
シデント 福永、
ピクシーナイトともに骨折
すぎやまこういち氏死去 GIレース入場曲「
グレード・エクウス・
マーチ」など作曲
ラフィアン総帥・岡田繁幸氏が3月に死去
東京スポーツ