年始の第1弾に、
横山武史騎手(23)=美浦・鈴木伸=の新春特別インタビューをお届けします。2021年は
エフフォーリアとのコンビでG1・3勝と大活躍。自身初のJRA年間100勝も達成し、史上最年少(23歳0カ月7日)での年間G1・5勝の快挙も成し遂げた。大きな飛躍を遂げ、確固たる自信をつかんだ若武者。年男として迎える22年へ、新たな決意と目標を熱く語った。
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-昨年を振り返って。
「目標としていたG1を勝って、年間100勝も達成することができたので良かったです」
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エフフォーリアで
有馬記念を勝った。特別な思いはある。
「
有馬記念だからというより、
エフフォーリアとだからという特別な思いはあります」
-
エフフォーリアが唯一、負けたのはダービーだった。
「
エフフォーリアがこの後、勝ち続けたとしても僕自身、ダービーの悔しさは一生、忘れないと思うし、一生、晴れないと思います」
-昨年はJRAで年間104勝をマーク。この数字については。
「100勝は目標でしたけど、達成するのは並大抵のことではないです。正直なところ本当に達成できるとは、という気持ちもありました」
-
有馬記念を勝って周りの反応は。
「たくさんの方に声を掛けていただきました。ただ、僕自身はレース前日のことがあったので、心の底から喜べなかったですね。でも、うれしかったです」
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有馬記念前日の25日の中山5R。決勝線手前で数完歩追う動作を緩め、騎手として注意義務を怠ったということで騎乗停止となった。
「競馬はお客さんがあってのものだと思っています。信頼を失うような競馬をしてしまったと思っていますし、申し訳ないという気持ちしかないです」
-1年間を振り返って、師匠の
鈴木伸尋調教師も褒めていた。
「うちの先生は師匠ですけど親みたいな存在です。厳しい時も優しい時もある人で、家族のように応援してくださる。そういう意味でも先生の期待にこたえられて良かったです」
-
有馬記念を勝って父の
横山典弘騎手からは。
「いつも褒めてくれる人ではないですからね。『良かったな、おめでとう』くらいです。それは未勝利戦を勝とうが、重賞を勝とうが、G1を勝とうが、いつもそんな感じです」
-新しい1年がスタートします。目標は。
「昨年は年間100勝とG1を勝つことができたけど、それを毎年、達成するのは並大抵のことではないです。それをキープすることが一流に近づくためのことだと思ってますし、キープすることは大前提として、それ以上に勝ち鞍を増やしたいです。勝っても負けても内容の濃いレースをしていきたいです」
-
エフフォーリアとも新たな1年を迎える。
「これだけ強い競馬をしてきて、まだ完成形ではないというのが驚きですね。もう一段階、成長したらどれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。
有馬記念は120%だった
天皇賞・秋と比較すると、そこまでの状態ではなかったけど、それで勝ったのは怪物だと思います」
-今年は
エフフォーリアが中心となり、競馬が動いていくことになる。パートナーとしては。
「プレッシャーはそこまで感じないです。
有馬記念はファン投票1位で1番人気でした。ファンが多く、人気のある馬だと思います。そんな
有馬記念で自分自身がプレッシャーに打ち勝つことができたし、馬もしっかりこたえてくれました。今年は期待される1年になると思いますが、この馬となら大丈夫だと思います」
-昨年は飛躍の年となった。技術面での変化は。
「スタートですかね。もともと苦手ではなかったけど、よほど駐立が悪い馬や、難易度が高い馬でなければ安定してスタートを切れるようになりました。まだ改善しなければならない課題はありますが、昨年と比較して技術が向上したひとつだと思います」
-具体的には。
「他のジョッキーにヒントを与えてしまうので言わないです。内緒です(笑い)」
-海外に興味はある。
「海外は行きたいですね。日本馬とG1へ挑む形もそうですし、僕個人としては修行として行ってみたいです」
-行くならどの国。
「イギリスかフランスですね」
-最後の質問。父は日本を代表する
横山典弘騎手。父の背中はどう見えている。
「
横山典弘はひとりの騎手として偉大な先輩だと思っています。だけど、その背中が遠いとは思っていないです」
提供:デイリースポーツ