新馬戦では出遅れながら、上がり最速となる34秒0の末脚で3馬身半差をつけて快勝した
ラスール(
シンザン記念出走予定=9日、中京芝1600メートル)。
キタサンブラック産駒とは思えないような瞬発力を見せた。兄に
阪神大賞典などGII3勝の
シャケトラを持つ良血馬。重賞でも十分主役級だ。
母サマーハ(
父シングスピール)は英国産で英仏4勝。
ラスールは8番子となるが、ダート1200メートルで4勝を挙げた
モルジアナ、ポプラ特別など中央で3勝を挙げた後金沢の重賞・
読売レディス杯で2着した
サラーブ、津軽海峡特別など現3勝の
シハーブなど活躍馬が並ぶ。
祖母ジェノヴェファは、仕上がり早の短距離馬が多いウッドマン産駒でありながら、2400メートルの仏G3ロワイヨモン賞を勝ち、2500メートルのG2ロワイヤリュー賞と2400メートルのG2マルレ賞で3着となっている。
産駒にはオイロパ賞、バーデン大賞の2つのG1を含め独英で2400〜3200メートルの重賞5勝の
マムール。孫には仏G3フィユドレール賞2着のドーレイミー、豪G1コールフィールドSを2着、同G2WHストックスSを勝ったア
ヴィエナスがいる。
ドバウィ産駒の姉
モルジアナこそ短距離戦で活躍したが、母系は長距離での活躍馬を多く輩出している。
ラスールも父が
キタサンブラックなら距離延長に不安はない。兄
シャケトラも晩成型だっただけに、今後の成長も期待できる。クラシック戦線でも戦える一頭だ。
(笹栗康昭)