大物輩出率の高いGIII
シンザン記念(9日=中京芝1600メートル)で「ラップマン」明石尚典記者のお眼鏡にかなえば、将来の出世は約束されたようなもの。前走は消化不良に終わったあの馬が、今度こそ真の力を見せつける――。
エフフォーリアが新たな時代の幕開けを高らかに宣言した
有馬記念。その余韻も冷めやらぬうちに2021年のトリを務めた
ホープフルS。そして
金杯デーを通り過ぎての3日間競馬と、改めて競馬サークルにおける時間の流れの早さを実感している。
そんな当欄22年最初の
ターゲットとなるのは
シンザン記念。過去10年の勝ち馬から
ジェンティルドンナ、
ミッキーアイル、
アーモンドアイ、
ピクシーナイトと4頭のGI馬を出している必見の出世レースは、今年も昨年に続き開幕3日目の中京マイルが舞台。前後3ハロン34秒7→35秒2=Vタイム1分33秒3という前年の記録が示す通り、絶好馬場が生み出すタイトな流れからの高速決着は避けられない。ラップ的にも時計的にも能力差が結果へとストレートに伝わる可能性大。そんな見方で好素材
レッドベルアームに本年最初の◎を託してみたい。
GII昇格元年の前走・東京スポーツ杯2歳Sは2番人気→5着で期待を裏切る格好も、48秒6→45秒9と前後4ハロン差が3秒近い超スロー。スタート直後に挟まれる不利で流れに乗り損ねたとなれば、直線で思いのほかはじけなかったのも無理はない。
逆に、デビュー戦の阪神9ハロンは前後3ハロンともに35秒7と、阪神外回りの新馬戦にしては珍しいイーブンラップ。紛れの生じにくい流れで最速上がりマーク→いきなりの1分48秒切り(1分47秒9)こそがこの馬の本当の姿とみてまず間違いない。
走破時計で0秒5差、自身前後3ハロンラップ合計で0秒4差(71秒6VS72秒0)をつけて一蹴した5着
キラーアビリティは、次走の小倉10ハロンを2着に7馬身差のレコードで圧勝。暮れの
ホープフルSでは一気にGIウイナーの座に上り詰めている。
はるか先へ行ってしまったラ
イバルの背中に追いつくためにも、まずは重賞タイトル奪取が史上命令。少なくとも、そのミッションを難なくクリアできるだけのポテンシャルの持ち主であると確信している。
(明石尚典)
東京スポーツ