18年のダービー馬
ワグネリアン(牡7歳、栗東・友道)が5日午後6時ごろ、栗東トレセン内診療所の入院馬房で、多臓器不全により急死した。6日、管理する友道師が発表した。
21年11月の
ジャパンC18着後に体調を崩し、懸命な治療が続けられたが、21年末に容体が急変。トレーナーは「獣医師の解剖の結果、大きい胆石がたまっていたとのことです。胆管に詰まって、そこから多臓器不全に。一戦一戦が思い出ですが、ダービーが一番の思い出ですね」と沈痛な面持ちで話した。
6日朝には、同馬とのコンビで自身初のダービー制覇を成し遂げた福永も、左鎖骨骨折でリハビリ中の東京から駆け付け、天に旅立った相棒をしのんだ。
同馬は17年7月にデビュー。新馬戦を驚異の上がり3F32秒6の末脚で差し切ると、
野路菊S、東スポ杯2歳Sと無傷3連勝を決め、一気にクラシックの主役候補へ躍り出た。
弥生賞2着、
皐月賞7着と連敗して臨んだダービーでは、5番人気と評価を落とすも、不利な8枠をはねのけて戴冠。19回目の挑戦だった福永に悲願のタイトルをもたらした。
通算成績は17戦5勝(うちG1・1勝を含む、重賞3勝)。獲得賞金は5億1243万7000円。
◆主戦を務めた福永「本当に残念です。昨年末から具合が悪いとは聞いていましたが、ここまで悪くなっているとは思いませんでした。関わってくださった方々が手を尽くした結果なので仕方がないことなのですが、残念です。自分の人生を変えてくれた、特別な思い入れのある馬。ダービー後は
ワグネリアンに何も返すことができなかったことが心残りです。素晴らしい経験をさせてもらって感謝しかありません。心からご冥福をお祈りします」
提供:デイリースポーツ