「
シンザン記念・G3」(9日、中京)
鮮やかなイン突きで勝利をつかんだ。22年最初の3歳重賞を制したのは、4番人気の
マテンロウオリオン。後手に回った前走とは違い、好スタートから3番手をなだめながらのリード。直線は一頭分の狭いスペースを力強く抜け出した。
和生や武史に負けてられぬとばかりに、父親の意地を見せた。“技有り”で勝利した横山典は「この間は後ろでうまく折り合ったけど、きょうは3回目。返し馬で抑えるのが難しいと思った。競馬を覚えてよくあるパターン。ギリギリのところで、引っ張り殺さない一番いい位置で折り合えて良かった」と、22年の初勝利に笑顔を見せた。
デビュー前から当レースV、その先のNHKマイルC(5月8日・東京)までの青写真を描くほどの厩舎の期待馬。新馬戦で2着に敗れ、格上挑戦で万両賞を使う“予定外”はあったが、後方一気に好位抜け出しと、多彩なレースでタイトルを手にした。昆師は「ノリちゃんは天才。何をするか分からない。それが魅力。どんな競馬でもできることを証明したのは今後に向けても大きい。きついローテで勝ったことをほめたい」とうなずいた。
NHKマイルC出走は確定しているが、
皐月賞(4月17日・中山)の参戦は成長度合いに委ねるという。「春の大目標には行けるので、ゆっくりとさせたい」と指揮官。数々の名馬を生み出した登竜門レースを制した新星。春にはさらに輝きを増す。
提供:デイリースポーツ