「AJCC・G2」(23日、中山)
21年の
菊花賞2着馬
オーソクレースが、美浦坂路での併せ馬で闘争心をかき立てた。重心のブレない力強いフットワークが成長の証し。明け4歳の始動戦で重賞初Vを決め、偉大な
母マリアライトの背中を追う。19日栗東CWでは川田を背にした
ポタジェが3頭併せを消化。
天皇賞・秋6着以来の実戦となるが、こちらも上々の仕上がりを伝えた。
一糸乱れぬフォームとはこのことか-。重賞初制覇を目指す
オーソクレースは、19日デビュー以来初となる美浦坂路での最終追い。
イルーシヴパンサー(4歳オープン)を2馬身追い掛ける形で発進すると、低重心のまま一直線に駆ける。中盤から僚馬に並び掛けて、最後は併入でフィニッシュ。4F53秒5-38秒6-12秒4を刻んだ。
僚馬の方にまたがった久保田師は「ウッドでは抜け出すとフワッとしてしまう。だから、気持ちを乗せるための坂路追い」とコース変更の意図を説明。その上で、「最後まで集中できていた。それでも、このクラスの馬ならもう少し余裕を持って動いてほしいんだけどね」と苦笑いを浮かべた。はた目にはパワフルな走りに映ったが、これも求めるものが高いからこその辛口
ジャッジだろう。
それもそのはずだ。大外枠からのスタートで厳しい戦いを強いられた前走の
菊花賞。そこで2着と改めて高い能力を証明してみせた。「最後にグイッと出るような勝負根性が、母と重なる」。厩舎の先輩でもある、16年
宝塚記念などG1で2勝した
マリアライトの初子だけに、指揮官の思い入れもひとしおだ。
明け4歳のシーズン初戦。トレーナーは「これからは古馬との戦いになるし、同世代にも強いラ
イバルがいる。この馬がどこまで上がっていけるか。楽しみだね」と視線は前へ。大いなる飛躍に向けて、まずは自身初となる重賞タイトルをつかみ取る。
提供:デイリースポーツ