ファンタジーSの覇者で阪神JF3着の
ウォーターナビレラを出すなど、初年度から上々の滑り出しとなった新種牡馬
シルバーステート。先週も
アルゲンテウスが新馬勝ちを決めるなど、産駒の勢いはまだまだ止まりそうにない。今週の
きさらぎ賞(6日、中京芝2000メートル)にも父譲りの非凡な素質を秘めた注目馬がスタンバイ。それが
ストロングウィルだ。
デビュー前から稽古で抜群の動きを見せ“これは走る”と記者の間でも話題になっていた一頭。「操縦性の良さが何よりの持ち味。スタートが良く、スッといい位置が取れ、なおかつそこで折り合うことができる。追ってからの反応もいいし、先々まで楽しみにしている馬なんです」と橋口調教師も高く評価する。
圧倒的1番人気に支持された初戦はまさかの2着に敗れたが、「抜け出して遊んでしまったようです。勝ち馬と内外離れていた分、フワッとしてしまいました」。思えば父
シルバーステートもデビュー戦で2着に敗れてから一気の4連勝。2戦目に勝ち上がった
ストロングウィルもこれからV軌道に乗っていくのではないか。ウッド6ハロン79.2-11.5秒の猛時計をマークした26日の1週前追い切りを見て、その思いを強くした。
「内を通ってなら分かりますが、大外の大外を回ってあの時計ですからね。徐々にフワフワする面が解消してきましたし、普段の調教からして左回りの走りも問題ありません」と橋口調教師も舌を巻く動きで目下の好調ぶりをアピールしている。
担当するのはトレーナーの父である橋口弘次郎元調教師のもとで2014年のダービー馬
ワンアンドオンリーを手がけた甲斐助手。名馬の背中を知る腕利きは「この時期での比較では
ストロングウィルのほうが稽古では動けていると思います。1週前追いに乗ってもらった松山ジョッキーとの話でも“楽しみしかないね”と。明け3歳でまだ緩いところはありますが、持っているものはかなりのものですよ」と。
まだ成長の余地を残す段階で、ここをアッサリ勝つようなら春にはさらに大きな勲章も…。
オルフェーヴル(11年3着)、
サトノダイヤモンド(16年1着)、
ネオユニヴァース(03年1着)など、多くのGI馬を出したクラシックへの登竜門・
きさらぎ賞で、橋口厩舎期待の
シルバーステート産駒
ストロングウィルがどんな走りを見せるのか、目が離せそうもない。
(西谷哲生)
東京スポーツ